写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏による、最新のフィリピンレポート。今週は、フィリピン経済を象徴する主要財閥の現状と、2022年下半期以降の見通しについてみていきます。

AGI…設備投資、昨年比33%増へ

 

フィリピン10大財閥の一角Alliance Global GroupInc.(AGI)は、2022年の設備投資に600億ペソを割り当てています。これは、経済活動のさらなる活性化に備えるため、昨年の水準から33%増加させています。

 

2021年の純利益で前年比36%の増益を記録したAGIの不動産部門、MegaworldCorpは、約500億ペソの設備投資を実施する計画です。そして、総資産価値が300億ペソに相当する14の新しいプロジェクトを市場に投入する計画です。

 

同社は今年、マニラ首都圏、カラバルソン、ミンダナオに総面積500ヘクタールの4つのタウンシップ開発を立ち上げる予定です。

 

カジノ・エンターテーメント部門のトラベラーズインターナショナルも現在進行中のプロジェクトに、さらに40億ペソ投入します。コロナ検疫制限の緩和により、カジノの総収益が前年比で26%増加したためです。

 

AGIの純利益は3%減少して82億ペソとなりました。これは、前年度にエンターテイメント・レジャー部門が計上した54億ペソの一時的な利益が含まれているためで、この一時的な項目を除くと、AGIの上半期の純利益は前年同期比で41%の大幅増益となりました。また、上半期の連結収益は前年同期比で16%増収の826億ペソになりました。AGIの好調な中間業績は、フィリピン経済全体の活性化を反映しており、パンデミック前のレベルを上回るあるいは同等のパフォーマンスを示しています。

 

同社CEOタン氏は、インフレによるコスト上昇、サプライチェーンの問題、不安定な外国為替レート、金利の上昇などの課題に直面しているものの、グループの焦点を絞った戦略、製品の創造性、強力な市場ポジショニングにより、成長を維持できると述べています。

 

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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