(写真はイメージです/PIXTA)

不動産取引をオンライン上で行う「ネット不動産」が解禁されました。これにより、内見のために移動する時間やコストが削減できるなどの面で一般消費者の利便性が向上する一方で、なりすましなどのリスクも新たに発生しています。ネット不動産の普及は私たちの生活にどのような影響をあたえるのか、企業法務に詳しいAuthense法律事務所の西尾公伸弁護士が詳しく解説します。

ネット不動産とは

ネット不動産とは、不動産取引のオンライン化のことです。インターネットの発達と宅建業法の改正などにより、不動産取引の実情は大きく変わりつつあります。

 

たとえば、従来では上京先で借りる予定のアパートを探したければ、そのために1度現地へ出向いて内見をすることが一般的でした。

 

また、その物件を契約するためには不動産仲介会社の事務所へ出向き、宅建士から対面で重要事項説明を受けたうえで、書面で契約を交わさなければなりません。

 

このような状況が、ネット不動産の解禁などにより変わりつつあります。ネット不動産の全面解禁により、これらすべての手続きがオンラインで完結できることとなったためです。

ネット不動産を利用するメリット

一般消費者にとって、ネット不動産を利用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか? 主なメリットを、5つ紹介します。

 

移動時間や移動費用の節約となる

ネット不動産を利用する最大のメリットは、移動時間や移動費用を節約できる点にあります。

 

従来は、上京や海外からの帰国などに伴って今後生活する場所となる不動産を探すにあたり、現地で内見しなければ物件の状態がよくわからない点や、契約の前に対面で説明を受けるべきであった点などがハードルとなっていました。

 

一方、オンラインで内見をするサービスを利用することにより、遠方からであっても物件の様子を確認することが可能となります。特に最近では、技術の進歩により、WEB上からでも実際の現地での内見と変わらない程度に物件の状態を把握できるサービスなども見受けられます。

 

また、物件の賃貸借契約の際の重要事項説明などもオンライン上で完結できることにより、わざわざ説明を聞いたり契約を交わしたりするためだけに、現地近くの仲介会社まで出向く必要がなくなりました。

 

場所を問わずに利用ができる

オンラインで内見や契約が完結できるとなれば、そのためだけに現地へ出向く必要がなくなります。そのため、場所を問わずに物件の賃貸や購入をすることが可能です。

 

これにより、先ほどお伝えしたような上京や海外からの帰国などに伴う物件探しがしやすくなる他、遠方からの不動産投資が活性化する効果も期待できるでしょう。

 

家族などと一緒に内見をしやすい

特に初めて1人暮らしをする場合などには、不安を感じる人も少なくないでしょう。しかし、家族とともに現地へ出向けば費用がかさんでしまうため、やむを得ず1人で現地へ出向き、内見や契約をしていたケースも多かったのではないかと思います。

 

また、大学進学を機に1人暮らしを始める場合などでは、いきなり1人で賃貸借契約を締結することはかなり負担が大きく、契約条件などについてよくわからないまま、不利な契約をしてしまうケースもあるかもしれません。

 

しかし、オンラインで内見から契約まで完結できるとなれば、家族と共に内見を受けたり説明を聞いたりしやすくなります。

 

家から出ずに物件探しができる

コロナ禍などにより不要不急の外出を控えたい人や、障害などで外出が負担となる人などにとっては、家から出ずに内見や契約が完結できる点が大きなメリットの1つとなります。

 

担当者へ気軽に質問ができる

オンラインで内見や契約をすることにより、家族などとともに説明を聞きやすくなります。これにより、担当者へその場で気軽に質問がしやすくなる点も、メリットの1つであるといえるでしょう。

 

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本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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