SOSを出すことで助け合いの関係を築ける
■「小さな質問」でSOS を出す練習をしよう
これまでずっと1人で解決しようと頑張ってきた方にとって、急に「周囲を頼りましょう」と言われても「そんなの無理!」と思うかもしれませんが、SOSと言っても深刻な悩みを打ち明ける必要はありません。
ステップを踏んで、少しずつSOSを出す練習をしてみましょう。
まずは、「SOSを出して助けてもらえた」という小さな成功体験を積むことが大事なのです。
最初のステップは、SOSの合図を受け取ってくれそうな人を探すことから始めましょう。
100%の自信を持って、この人なら悩みを聞いてくれる! と確信できる人を探すのは難しいでしょうから、仲のいい同僚や後輩、家族や友達でもいいので、話しやすい人に小さなSOSを出してみましょう。
SOSの内容は、「ワード文書をPDFに変換するのって、どうするんだったっけ?」など、相手にも負担がなくさらっと解決しそうなことがいいですね。小さなSOSであれば、さほど相手の負担になることはありません。
むしろ、誰かの役に立てるのは、多くの人にとってうれしいことです。
ファーストステップでは、頼って、教えてもらえて、「頼んでいいんだ」「質問していいんだ」という感覚を持つことが大事です。
普段から「この人はこの分野に詳しい」と、周囲の人の得意分野を把握しておけば、適任者に聞けるので解決しやすいでしょう。
思いつきで頼んでしまうと、小さなことでも相手が分からない場合があります。
パッと解決すると思ったのに、予想以上に相手の時間を奪ってしまうと、迷惑をかけてしまった……と感じて自己肯定感がさらに下がってしまうので、相談相手選びは重要です。
他人の様子に気を配り、気持ちを汲み取ることができるあなたなら、このような人間観察もきっとできるはず。
もしかすると、すでにやっている人もいるかもしれません。
一度できたら、次のステップはとにかく成功体験を増やすこと。
少しずついろんな人にSOSを出していくことで、自然と助け合いの関係を築いていくことができます。
井上 智介
産業医
精神科医
健診医
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