ASEAN団結明暗分けるか─モクバイ国際国境
「モクバイ国境経済圏の経済的能力向上のため、タイニン省はインフラ整備と投資に注力する必要がある」と専門家は指摘した。
「モクバイ国際国境ゲート」は、ベトナム南西部のタイニン省にある、南部最大の陸上国境ゲートである。
タイニン省で近年開かれた会議の中で、グエン・マン・フン副党書記は「タイニン省は、大メコン圏(タイ、カンボジア、ラオス、ベトナム、ミャンマーの5カ国と中国2省にまたがるメコン川流域の総称)とその他ASEAN諸国を結ぶ重要な役割を果たしている。したがって、モクバイ国境ゲートは戦略的に重要である」と述べた。
タイニン省のグエン・タイン・タム党書記は、「2万1,000ヘクタール以上のモクバイ国境経済区はベトナム史上類を見ないものであり、中央政府は同地域に強い関心を寄せている」と述べた。
また、中央理論評議会のグエン・スアン・タング会長は、「モクバイは『ベトナム南部における経済回廊の横断地点』となる大きな可能性を秘めている」と話した。
しかし現状、この地域における開発は遅れており、企業誘致の能力も限られている。
20年以上政府からの資金援助は不十分
「ゲート設立から20年以上経っても、モクバイ国境経済圏は1兆ベトナムドン(4,270万米ドル)相当の投資しか受けていない。省の財政余地は大きいにも関わらず、開発するには十分でない」(タング氏)
計画投資省のヴォー・タン・トン副大臣は、「タイニンは地域既存の自然や労働力人口の優位性を活用し、投資を誘致するための政策を構築する必要がある」と述べた。
「同省は、企業にとって有利な税制、行政手続きの改革、関連当局や近隣のカンボジアとの協力に力を入れるべきだ。ビジネスの生産、輸出入、地元住民の生活のためのインフラを同期した開発も重要で、特にモクバイの交通インフラについては重要である」との見解を示した。
また、グエン・スアン・タング会長はこうも話した。「建設中のホーチミン市モクバイ高速道路の完成は、ホーチミン市のタン・ソン・ニャット空港への移動距離を短縮できるため、この地域の発展にも大きな役割を果たす。国からの資金と民間投資の両方が重要である」。