※画像はイメージです/PIXTA

遺産相続は、時として親族どうしで争う「争族」になることがあります。遺産相続に関するトラブルは家族関係が悪化するきっかけにもなるため、できるだけ避けたいところです。どのような場合に相続が「争族」になるかを知っておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。みていきましょう。

④養子・前妻の子・婚外子がいる

 

次のような事情で故人の家族関係が複雑になっている場合も、相続が「争族」になりやすい傾向があります。

 

• 知らない人が養子になっていた

• 離婚したもとの配偶者とのあいだに子供がいた

• 愛人とのあいだに生まれた子供を認知していた

 

養子のほか、離婚したもとの妻(夫)の間の子供や、父親に認知された婚外子(隠し子)も遺産を相続することができます。こういった子供がいることを家族が知らなければ、亡くなったあとに突然名乗り出てきてトラブルになります。

 

また、亡くなったあとに家族が戸籍謄本を確認して、知らない名前があることに驚くこともあります。家族、特に子供にとってみれば、予期しない相続人が増えたことで自分の相続分が減ることになります。相手がいままで会ったこともない人であれば、話し合いはより一層難しくなります。

 

⑤夫婦の間に子供がいない

 

夫婦の間に子供がいない場合も、相続が「争族」になりやすい傾向があります。子供がいない夫婦のどちらかが死亡した場合は、配偶者に加えて故人の両親も相続人になります。

 

両親がすでに死亡していて、かつ両親より上の世代の親族もいなければ、故人の兄弟姉妹が相続人になります。

 

したがって、故人の配偶者は義理の父母または義理の兄弟姉妹と遺産相続について話し合わなければなりません。普段から親しくしていれば話し合いはしやすいですが、疎遠であればお互いに主張が極端になって話がこじれる傾向があります。

 

⑥極端なことをいう相続人がいる

 

財産の内訳や、家族構成にこれといった問題がなくても、相続人のなかに理屈が通用せず極端なことをいう人がいると争族になる場合があります。極端な主張をする背景には、元来の性格や家族に仕返しをしたいといった過去の恨みなどがあります。

 

このほか、生活が苦しく少しでも多く遺産をもらいたいといった経済的な事情が潜んでいる場合もあります。

 

こういった場合は主張そのものに無理があるので、お互いに弁護士を立てたとしても話し合いはまとまりません。司法の場に持ち込んでも調停だけでは終わらず、審判や訴訟に及んで争いが泥沼化する恐れもあります。

 

杉原 杏璃 氏登壇!
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
(入場無料)今すぐ申し込む>>

次ページ生前にできる「争族」対策

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧