※画像はイメージです/PIXTA

遺産相続は、時として親族どうしで争う「争族」になることがあります。遺産相続に関するトラブルは家族関係が悪化するきっかけにもなるため、できるだけ避けたいところです。どのような場合に相続が「争族」になるかを知っておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。みていきましょう。

生前からできる「争族」対策

相続が「争族」になってしまえば、家族が疲弊するだけでなくその後の関係に深刻な悪影響を及ぼします。争族を防ぐにはどういった対策があるでしょうか。ここでは、生前からできる争族対策をご紹介します。

 

誰が相続人になるか確認する

争族を防ぐには、まず誰が相続人になるか確認することが大切です。前の章でお伝えしたように、死亡後に予期しない相続人が現れてトラブルになることもあるからです。法律上、誰が相続人になるかは次のように定められています。

 

• 常に法定相続人:配偶者

• 第1順位:子(子が亡くなっている場合は孫)

• 第2順位:父母(父母が亡くなっている場合は祖父母)

• 第3順位:兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪)

 

第1順位の人がいなければ第2順位の人が法定相続人になり、第2順位の人もいなければ第3順位の人が法定相続人になります。多くの場合は配偶者と子が相続人になりますが、特に次のような場合は、誰が相続人になるかを確認しましょう。

 

• 子がいない場合

• 離婚歴がある場合

• 養子・婚外子がいる場合

• 未婚の場合

 

遺言書を書く

遺言書は、遺産を誰にどれだけ渡すかといった事項を定める法的な書面です。相続人は遺言で指定されたとおりに遺産を分け合うことになるため、遺言書は争族を防ぐ最も有効な手段です。

 

しかし、遺言書があっても争族に発展する場合があります。たとえば次のような場合です。

 

• 遺留分(相続人が最低限相続できる割合)を侵害していた

• 形式に不備があって遺言書の有効性を争うことになった

• 特定の相続人に極端に有利な内容になっていた

 

遺言書は遺留分に注意しつつ、形式の不備で無効にならないように作成しなければなりません。また、遺言で遺産の分け方を指定する場合は、どのような思いで分け方を決めたのかを伝えることも重要です。

 

遺言書には、付言事項として、遺産分割方法を定めた意図や葬儀・埋葬に関する指示、家族に対する感謝の気持ちなどを書くことができます。付言事項に法的な効力はありませんが、どのような思いで分け方を決めたかがわかれば、家族も納得して相続することができるでしょう。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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