(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

中国では再び感染者増

中国の複数の都市では再び新型コロナウイルスのリバウンド基調がみられ、上海では新たな変異種「BA.5」が検出されたことを受け、12-14日の間に先週から続いて集団検査が予定されている。

 

同市の一日あたりの新たな感染者数は69人と5日以降、2桁台で推移し顕著に増加した。中国本土でも新たに352人の新規感染が報告され、中部の河南省沁陽市では、70万人近い住民を対象に、10日からロックダウンが実施される。

 

外出が制限されるリスク地区については、11日までに200箇所以上に急増していて、再び事実上のロックダウンになるのではとの懸念が高まっている。

 

隣接するマカオでは新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、2年ぶりに全てのカジノを閉鎖し、事実上のロックダウン入りとなった。マカオにある30以上のカジノを含めたほぼすべての商業・工業施設が1週間閉鎖され、自宅待機が指示されている。

 

引き続き、厳しい規制が敷かれる事実上のロックダウンは、中国経済の先行きを不透明なものにしている。

中国CPI(6月)は上昇

週末、中国国家統計局が発表した6月の消費者物価指数は、前年同月比2.5%上昇し、前月から横ばいと、2020年7月以来、1年11ヵ月ぶりの水準を記録した。燃料など、エネルギー価格の高騰が物価を押し上げたほか、豚肉価格の持ち直しが一因となった。

 

一方、6月の工業品卸売物価指数は前年同月比6.1%上昇したが、前月からの伸びは縮小した。需要に関しては、上海など一部の都市でロックダウンが解除された影響で回復傾向にはあるが、7月に入っての感染再拡大で、再び厳しい制限措置がとられる可能性があり、サービス支出を圧迫していると思われる。

 

消費者物価指数

 

 

工業品卸売物価指数

 

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

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