香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。
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中国本土株指数 7,551.70 pt (+0.17%)
レッドチップ指数 3,935.48 pt (+0.71%)
売買代金1,058億5百万HK$(前日1,120億6百万HK$)
中国政府は地方政府の特別債発行の前倒しを検討
中国当局は、地方政府が来年発行する予定の「専項債」(資金使途を公共事業に限定した特別公債)を年内に前倒し発行することを認めると一部報道が伝えた。
この報道によれば、中国財政省は、景気の下支えとインフラ投資を活性化するために、地方政府に対して7-12月に全体で1兆5000億元相当額の特別公債を許可することを検討しているという。
この措置は、ここ数週間に発表された合計1兆1000億元規模のインフラ投資拡充策に上乗せされる措置と推測される。国家目標であるGDP成長率5.50%を達成するため、下期にも、景気のテコ入れ策を施す意思の現れであろう。
なお、この措置には、国務院と全国人民代表大会の承認が必要となるが、実施されると地方自治体の特別公債発行の限度枠としては過去最大となる。
また、このような特別地方債の発行前倒しは前例がない。極めて異例の措置で、中国政府が足元の景気動向への懸念を強めていることを示している。中国政府は、今後もさらに積極的な景気刺激策を導入するとの見込みが期待感も入り混じって強まっている。
この報道を受けてロンドン金属取引所(LME)の銅先物が19ヵ月ぶりの安値から4%以上反騰した。原油先物は連日大幅に下落していたが、北海ブレント、WTI原油先物ともに100ドル/バレルにのせた。
Wells Global Asset Management Limited, CEO最高経営責任者
国際金融ストラテジスト <在香港>
京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)
シティバンク東京支店及びニューヨーク本店にて、資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004年末に東京三菱銀行(現:MUFG 銀行)に移籍し、リテール部門のマーケティング責任者、2009年からはアジアでのウエルスマネージメント事業を率いて2010年には香港で同事業を立ち上げた。その後、独立して、2015年には香港金融管理局からRestricted Bank Licence(限定銀行ライセンス)を取得し、Nippon Wealth Limitedを創業、資産運用を専業とする銀行のトップとして経営を担った。
2021年5月には再び独立し、Wells Global Asset Management Limitedを設立。香港証券先物委員会から証券業務・運用業務のライセンスを取得して、アジアの発展を見据えた富裕層向けサービスを提供している。(香港SFC CE No. BIS009)
世界の投資機会や投資戦略、資産防衛にも精通。個人公式サイトなどを通じて、金融・投資啓蒙にも取り組んでいる。
● 個人公式サイト
「HASEKENHK.com」(https://hasekenhk.com/)
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連載国際金融ストラテジスト長谷川建一の「香港・中国市場Daily」