香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。
中国PMIが発表
中国国家統計局が30日に発表した6月の購買担当者景況指数(PMI)は製造業、サービス業ともに節目の50を上回った。製造業PMIは前月から0.6pt上昇し50.2と5ヵ月ぶりに50台に戻した。
非製造業PMIは前月から大幅に改善し54.7と市場予想(50.5)を大きく上回り、昨年5月以来、実に1年ぶりの高水準まで回復した。
上海をはじめ大多数の都市はロックダウン(都市規制)解除が追い風となり、中国政府はインフラ投資の拡大や減税を柱とする大規模な景気刺激策を相次いで打ち出している。統計局は、足元の経済状況について全体として回復が加速していることを強調し、今後も段階的な成長を示唆した。
6月の中国・香港市場のパフフォーマンスは大幅に改善
6月のハンセン指数のパフォーマンスは月間で2%増と21年10月以来、約8ヵ月ぶりのパフォーマンスで終えた。月間ベースで2ヵ月連続の上昇、週間では本日まで3週連続のプラスとなった。
CSI300については月間ベースで10%上昇し、20年7月以来の大幅反発。ボトムである4/26からは19%増と大幅反発となった。香港・中国市場は昨年、米中の対立が再燃、また今年はオミクロン株の拡大によって株式市場はグローバル指数を大きくアンダーパフォームし、軟調な展開が続いていた。
しかし、5月末に発表された中国政府の追加経済対策が後押しとなり、中国市場は今月から息を吹き返している。引きつづき海外からは期待先行で資金流入もみられ、上昇期待が高まっていると考えられる。
長谷川 建一
Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>
Wells Global Asset Management Limited, CEO最高経営責任者
国際金融ストラテジスト <在香港>
京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)
シティバンク東京支店及びニューヨーク本店にて、資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004年末に東京三菱銀行(現:MUFG 銀行)に移籍し、リテール部門のマーケティング責任者、2009年からはアジアでのウエルスマネージメント事業を率いて2010年には香港で同事業を立ち上げた。その後、独立して、2015年には香港金融管理局からRestricted Bank Licence(限定銀行ライセンス)を取得し、Nippon Wealth Limitedを創業、資産運用を専業とする銀行のトップとして経営を担った。
2021年5月には再び独立し、Wells Global Asset Management Limitedを設立。香港証券先物委員会から証券業務・運用業務のライセンスを取得して、アジアの発展を見据えた富裕層向けサービスを提供している。(香港SFC CE No. BIS009)
世界の投資機会や投資戦略、資産防衛にも精通。個人公式サイトなどを通じて、金融・投資啓蒙にも取り組んでいる。
● 個人公式サイト
「HASEKENHK.com」(https://hasekenhk.com/)
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連載国際金融ストラテジスト長谷川建一の「香港・中国市場Daily」