(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

ハンセン指数 21,859.79 pt (▲0.62%)
中国本土株指数 7,666.88 pt (▲0.36%)
レッドチップ指数 3,951.49 pt (+1.48%)
売買代金1,514億7百万HK$(前日1,608億3百万HK$)

香港市場はハイテク株を中心に下落

30日の香港市場では、朝方発表された中国製造業PMI(6月)が大幅に改善したことに反応し、ハンセン指数でサポートラインとして期待される22,000ポイントを回復する場面もみられた。

 

しかし、明日の香港特別行政区成立記念日を控えて、積極的な買いは手控えられ、午後に反落した。同指数は前日比0.62%安で引けた。

 

ハイテク株中心に下落し、ハンセンテック指数は前日比1.36%安となった。パソコン大手のレノボ(0992)、電子プラットフォームの美団(3690)、ソフトウェアの金蝶集団(0268)はそろって同4%安。主力銘柄も下落、テンセント(0700)、アリババ(9988)は同2%安と下げた。テンセントについては大株主の売却意向から4日続落し、7%超の下落となった。

 

スマートフォン銘柄も下落し、電子機器のBYDエレクトロニック(0285)は同3%安、スマートフォンの小米集団(1810)、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382)は同1%近く下げた。

 

CINNOリサーチによると、5月の中国本土のスマートフォン販売台数は前月比8.6%増の1,912万台と増加傾向も、2021年比では19.7%減と同月で2015年以来の最も低調な数字となった。

 

今週月曜日にはスマートフォンの供給拡大が伝えられると、同セクターが大幅反発する場面もみられたが、引きつづき売上増加につながるかは不透明な環境がつづく。

 

個別株では人工知能開発のセンスタイム(0020)が大幅安となり、一時前日比51%を超えて、IPO公募価格の3.85香港ドルを割り込んで売られる場面もみられた。同社株は昨年12月30日に香港証券取引所に上場し、昨日29日で234億株についてロックアップ(売却禁止期間)が終了していた。

 

一方、自動車株は昨日の急落から回復。電気自動車のNIO(9866)は同7%高、、理想汽車(2015)は同6%高、小鵬汽車(9868)は同5%高となった。

 

EVメーカーのNIOについては空売りファンドが同社に対して、不正な会計処理によって売上高の水増しなど行った疑惑があると指摘され、昨日は一時13%安まで売りこまれる場面もみられたが、本日は一転して買い戻しの展開となった。

 

一方、中国本土株は上海総合指数が反発し前日比1.1%高の3,398.62、同指数は約4ヵ月ぶりの高値を記録した。CSI300は同1.4%高の4,485.01、同国の景気刺激策や、社会の早期正常化に対する期待感がつづき、堅調な一日となった。

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