(画像はイメージです/PIXTA)

配偶者に不倫がバレたとき、サレタ側・シタ側の慰謝料請求に関する話し合いは感情的になりやすく、当事者同士のみではこじれてしまうケースも少なくありません。ココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、不貞慰謝料の話し合いを進めるうえで気をつけるべきことについて、南 宜孝弁護士が解説します。

不倫相手の奥さんから突然LINEが来て…

相談者のかなこさん(女性・仮名)は不倫相手の奥さんに、不倫行為を知られてしまいました。不倫相手とやり取りしていたLINEを奥さんが見たようです。「話し合いに応じれば内容証明は送らない」と言われ、直接示談交渉することになりました。

 

かなこさんは素直に不貞を認め、慰謝料をできる限り奥さんの要望どおりに払う心持ちでいます。ただ、双方とも弁護士をつけずに示談交渉の席につくこととなったため、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の3点を相談しました。

 

〇示談交渉の席での注意点

〇奥さんは、かなこさんの住所氏名等の個人情報を特定していると主張しているが、本当に特定できているかどうかを確認する方法はあるか。

〇奥さんはかなこさんの不倫相手である旦那さんの携帯電話から、かなこさんのLINE連絡先を自分の携帯電話に転送し、自身のLINEアカウントから、直接かなこさんのLINEアカウントにメッセージを送った。この行為は「不正アクセス禁止法」に触れるか。

不倫相手の妻との直接交渉における注意点3つ

まず、1つ目の質問。不倫相手の配偶者との示談交渉の席での注意点についてお答えします。

 

1、不貞行為の裏付けとなるメッセージがあるのかを見直すこと

2、無暗に不貞行為について喋らないこと

3、その場で署名捺印を要求されても、控えること

 

注意点1「不貞行為の裏付けとなるメッセージがあるのかを見直すこと」

1つ目の注意点「不貞行為の裏付けとなるメッセージがあるのかを見直すこと」についてお話します。

 

まず、慰謝料請求の根拠となる不貞行為とは、夫、又は妻が、配偶者以外の人と性行為またはこれに準じる行為に及ぶことを指します。そのため、キスをする行為や面会する行為だけでは不貞行為にはなりません。

 

不貞行為に基づく慰謝料請求においては、この請求を行う配偶者が、不貞行為の存在を証明しなければなりません。不貞行為の裏付けとなり得る証拠には、性行為を示す写真や動画、過去の性行為を回想するメッセージなどがあります。

 

また、ラブホテルの利用履歴、宿泊を伴う面会や旅行にかかる領収書やメッセージも不貞行為の裏付けとなります。そこで、不貞相手の妻と面会する前に、不貞相手の妻が不貞行為の裏付け資料としてどのようなものを有しているかを予め予想しておくことが大事です。

 

本件では、不貞相手の妻が、あなたと不貞相手とのLINEメッセージを見たということです。そのため、あなたと不貞相手とのLINEメッセージの履歴をよく見直してください。
LINEメッセージ内に不貞行為を裏付けるメッセージが残っている場合には、これが不貞行為を裏付ける客観的資料になる可能性があります。

 

他方で、単に面会の約束をしているにとどまるようなメッセージや愛情表現をしているだけのメッセージの場合には、それだけでは不貞行為の裏づけ資料とはなりません。

 

すなわち、夫のLINEメッセージ内に不貞行為を裏付けるようなメッセージがない場合、妻は夫の不貞行為を証明することができないため、不倫相手であるかなこさんとの直接交渉を通じて、不貞行為にかかる供述を引き出そうとしている可能性があります。

次ページ交渉の場で署名・捺印を強要されることも

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