併願優遇受験のメリットをどう生かすか
⑥『個別相談会』
私立高校が実施する個別相談会は、併願優遇で受験することを考えている場合は、マストであると言われています(併願優遇とは、東京都の私立高校が実施する入試制度。一般入試で第一志望が他校で不合格だった場合に、必ずその高校に入学することを条件に優遇される)。これは、中学校からもそのように指導されます。
息子の場合、併願優遇を行っている私立の中にいきたい高校は、残念ながら見つけることができませんでした。1校だけ、併願優遇で受験するかどうか迷い、個別相談会に参加してみて、話を聞いた学校があります。
学校説明会の部分でも少し触れましたが、特進クラスの担任の先生との会話は、微妙にかみ合わず、「勉強と部活を両立させたい」と考えていた息子の希望には添わない学校でした。私も同席しましたが、私自身、その学校の教育方針にあまり賛同できませんでした。
私立の学校は、校風や教育理念に、それぞれ特徴や個性があります。相談会に参加したことで、その学校は、息子の思い描く高校生活が送れる学校ではないと判断できました。この経験から、滑り止めや保険のためとはいえ、高校生活を3年間過ごす可能性のある学校は、しっかり選び、通うつもりで受験すべきだと感じました。おかげで、その後の受験方針も決まりました。そういう意味で、個別相談会に参加してよかったと感じています。
ウェブサイトやパンフレット、ネットの情報ではわからないことが多いです。足を運ぶこと、在校生の様子を見ること、関係者と話すことは、学校のことをより深く知ることができるいい機会です。「入学してみたら違っていた」といったことが起こらないようにするためにも、受験する学校はできるだけ、親子そろって出かけてみるほうがよいでしょう。
息子は、併願優遇を選択しませんでしたが、私立を併願優遇で受験したい場合は、必ず個別相談をするようにと、中学校から指示があります。「個別相談に参加しないと門前払いになる学校もある」と担任の先生は話していました。高校によっては、個別相談が必ずしも必要ではないと説明をしている学校もありますが、受験する可能性がある場合は、全体の説明会+個別相談会を併用することをおすすめします。
もしも知り合いに、その学校の出身者や在校生がいる場合、話を聞くことは可能ですが、現役の先生や学校関係者と直接話せることは、学校の校風や理念をより知ることができるチャンスです。数年たてば学校は変化している部分もあるでしょうから、できるだけ、現役の学校関係者と話す機会をつくるようにしましょう。
併願優遇で受験することのメリットは、安心して第一志望校に挑戦できることです。保険を掛けておくほうが落ち着いて挑戦できる子や、都立が第一志望の子、少しレベルを上げた私立に挑戦したい子など、理由はさまざまですが、近年、併願優遇制度を利用する受験生は増えています。
もし、併願優遇受験のメリットを生かして受験にチャレンジする場合は、各学校の個別相談会に参加してみてください。
塚松美穂
ライター・教育アドバイザー
学習支援コーディネーター
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