Uターン転職の本番は転職して働き始めてから
■転職後のキャッチアップやチューニングも重要
今はリモートワークが普及し、業種によっては都会でやっていた仕事をそのまま地方ですることも可能です。この場合、仕事場所を地方に変えただけで、転職をするわけではありません。生活環境は変わっても基本的には、今までどおりの仕事をやっていけば大丈夫です。
それに比べて転職は、キャリアのつながりはあるにしても会社や業務内容、社内のポジションなどが変わります。大都市に多いジョブ型雇用の職場では自分の専門の仕事だけをしていればよかったものが、地方ではメンバーシップ型雇用なので幅広い仕事を期待されます。プレイヤーからマネージャーへキャリアアップした場合は、現場仕事だけでなくリーダー的な立場で管理業務もすることになり、今までにはなかった能力が求められます。
つまり、転職後はその職場や仕事内容に合わせてキャッチアップやチューニングをしなければなりません。キャッチアップとはほかの社員の進度に追いつくこと、チューニングとは企業文化などに合わせて自分のやり方や価値観を調律することです。
Uターン転職では転職することが目的化してしまい、その後のキャッチアップやチューニングまで考えられていないことがあります。すると、職場になじめないとか、期待に応えられないなどの不具合を生じやすくなります。
転職エージェントのdodaによると、転職後に不安を感じたことがある人は8割以上を占めています。特に内定から転職後1カ月の期間は不安を感じる人が多くなっています。どんな不安を感じていたかを見ると、「人間関係がうまくいくか」「仕事についていけるか」「職場(社風)に馴染めるか」がそれぞれ8~9割と高くなっています。
働き口が見つかって安心する気持ちはよく分かるのですが、それは転職全体で見ればまだスタートラインに立ったに過ぎません。本番は転職してからなので、そこからのキャッチアップやチューニングを忘れないようにしたいものです。
■早く新しい職場に慣れるためにすべき5つのこと
転職後、スムーズに職場になじむことは幸せなUターン転職を実現するうえでも重要なことです。そのためにも意識したいことが5つあります。
①積極的にコミュニケーションを取る
新しい環境では自分を知ってもらい、自分も相手を知ることが大切です。
自分が職場になじめるか不安なように、職場の人たちも今度来た中途採用者と仲良くできるか不安なのです。まずは自分からコミュニケーションを取る努力をしたいところです。
やはり挨拶は基本であり最強のコミュニケーション潤滑剤です。明るく笑顔で挨拶するだけで、良い人そうだとか話し掛けやすいと感じてもらえます。
また、なるべく早く職場の人たちの顔と名前を覚えることです。名前で呼ばれると、人は無意識に相手に好意をもつそうです。心理学では「ネームコーリング」といって、人間関係の促進によく使われるテクニックです。