「帰るべき」ではなく「帰りたい」がUターン転職の成功のカギ

「親のために帰るべき」「都会が合わないから地元に帰るしかない」「楽できるなら地方でいい」…、これではUターン転職は成功しません。地元に帰りたいとか帰ることでもっと幸せになりたいという主体的な思いがあるとき、Uターン転職は成功に向かって動きだします。キャリアコンサルタントの江口勝彦氏が解説します。

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面接官は家族のことも聞きたがっている

■Uターン転職におけるコーチングとは

 

コーチング(coaching)とは、ティーチング(teaching)と対になるものです。ティーチングは、学校の先生のように指導者がテクニックを教えたり目標設定を与えたりしながら相手を高めていく手法です。

 

これに対して、コーチングはスポーツのコーチのように、相手のやり方を否定することなく傾聴や質問、提案などを投げ掛けながら本人の気づきを促します。そして、自分で主体的に伸びていけるように導く手法です。

 

Uターン転職のアドバイスにもコーチング的な関わり方を応用すると、求職者が内省できるようになり、自分のなかの声に気づくようになります。そうすることで、「自分は本当はどう生きたいのか」「仕事を通してどんな自分になりたいのか」などの自己像や人生観が意識化されていきます。

 

コーチングのできるエージェントと面談で対話しているうちに、「自分って本当はこういう人間だったんだ」と発見したり、「そういえば子どもの頃、こうなりたかった」と思い出したりするといったことが頻繁にあります。それを繰り返して自己理解をしていくのです。自分自身のことがよく分かるので、キャリアデザインや面接対策に役立ちます。

 

また、夫婦でUターン転職する・しないの意見が分かれた際も、自分は絶対に転職したいといった感情的な話になるとケンカになります。しかし、コーチング的な自己理解ができると、どのような理由で転職が自分にとって必要なのか冷静な説明ができ、トラブルを回避できます。

 

■面接官が聞きにくいことをオープンに話すと喜ばれる

 

地方の中小企業は社員同士が家族的な付き合いをする風土がまだまだ残っていて、都会のビジネスライクな雰囲気とは違うところが多いです。採用面接の場面では本人以外のことは聞いてはいけない建前になっていますが、本音では面接官は家族のことも聞きたいと思っています。

 

奥さんや子どももUターン転職に賛成してくれているかという点は、面接官にとってはできれば聞いておきたい質問です。

 

というのも、家族が反対している場合には内定を出しても「やっぱり地元には帰れません」と辞退されたり、入社しても短期間で離職されたりするケースがあるからです。

 

こういう面接官が聞きにくいことを自分からオープンにすると、相手は安心できるので喜ばれます。

 

また、地元への愛着や地縁なども無理に話す必要はありませんが、話せる場面があれば話すのもありです。

 

特に出身高校は選考の目安になりますし、面接官や経営者がOBであれば、親近感をもってもらいやすくなります。長男なので家や墓を守りたいといったこともサラッと言えると、「今時しっかりしていて地元に根を下ろしてくれそうだ」という期待につながります。地方創生や地域貢献などを格好つけて謳うより、よほど面接官の心に響きます。

 

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    株式会社エンリージョン 代表取締役
    キャリアコンサルタント

    1978年生まれ。静岡東高校から千葉大学教育学部に進学、2002年卒業。東京日産自動車販売に入社(関東実業団バスケットボール所属)。2003年、新潟アルビレックスBBに入団。翌年にABA(米マイナーリーグ)挑戦のため渡米。2005年に現役を引退。その後、妻の地元である新潟に定住し、リクルート新潟支社にてセカンドキャリアをスタート。自身が地方転職した経験を活かし、2010年に地方特化型の人材紹介会社エンリージョンを設立(リージョナルスタイル加盟)。現在は経営者でありながら、キャリアコンサルタントとして人材紹介や採用代行、転職支援などのサービスを提供している。

    著者紹介

    連載30代で「Uターン転職」を成功するポイント

    本連載は江口勝彦氏の著書『幸せのUターン転職』(幻冬舎メディアコンサルティング)から一部を抜粋し、再編集したものです。

    幸せのUターン転職

    幸せのUターン転職

    江口 勝彦

    幻冬舎メディアコンサルティング

    30代になると結婚や子どもの誕生、マイホームの購入、親の介護などさまざまなライフイベントを迎えます。 そのタイミングで都会からのUターン転職を考える人もいますが、年収やキャリア形成の不安から「自分が働ける場所はな…

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