ハンセン指数 21,067.99 pt (+0.00%)
中国本土株指数 7,333.61 pt (▲0.09%)
レッドチップ指数 3,757.44 pt (+0.31%)
売買代金1,330億5百万HK$(前日1,593億9百万HK$)
中国・香港市場はアジア市場をアウトパフォーム
14日の香港株式相場は、金融引き締めに対する不安感から米国株式相場が値幅を伴って続落したことにつられ、300ポイント超安で寄り付いた。
しかし、ハンセン指数はこの三日間で1,000ポイント超下落していたことと、21,000ポイント近辺のサポートラインが意識され、日中は買い戻しが優勢となって、結局、前日比0. 41ポイント高と前日終値水準で引けた。
業種では銀行株と電力株が相場を牽引し、中銀香港(2388)が5%高、ハンセン銀行(0011)、HSBC(0005)はそれぞれ2%近く上昇、中国電力(1370)は13%高となった。
中国株式相場は、内外からの懸念材料が引き続き意識され、中国の新型コロナウイルスの感染拡大と明日に控えるFOMCを前に売りが先行した。
しかし、追加経済対策の効果への期待感が根強く、上海総合指数は前日比1.02%高の3,288.91と底堅い動きで、約3ヵ月ぶりの高値水準を回復した。CSI300指数は、0.79%高の4,222.31で引けた。
明日の中国小売売上高や鉱工業生産の発表を控えて様子見気分は強く、積極的な売買は手控えられた点はあるものの、中国・香港市場はアジア市場をアウトパフォームした。
FOMCの憶測が飛び交う
14~15日のFOMCを控え、さまざまな憶測が飛び交っている。5月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことを受けて、一部の投資銀行は今週のFOMCで75bpsの利上げを実施すると指摘した。
実際に実施されれば1994年以来の大幅利上げとなる。CME Fed Watchによると今週の75bpsの利上げは今月、10日時点の23.2%から96.8%に急上昇した。米銀大手のJPモルガンでは、米CPI(5月)を受けてFRBはさらにタカ派色を強めざるをえないだろうと指摘した。6月は75bpsの利上げ、7月、9月は50bpsの利上げが適切であるとした。
米国で10日に発表されたミシガン大学の消費者信頼感指数(6月)は50. 2まで低下し過去最低を更新した。
低成長下でインフレが高進するスタグフレーションに陥らないよう対処すべきとの懸念の声も出ている。
13日の米国債券市場では、一時2年債と10年債の利回りが逆転する逆イールド現象が発生し、ハイイールド債にも信用スプレッド拡大の圧力が目立った。どこまで上昇するか目処が立たない金利と経済の先行きに対する懸念が強まっており、不透明感が払しょくできない環境が続く。
長谷川 建一
Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>