(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

ハンセン指数 21,308.21 pt (+1.14%)
中国本土株指数 7,452.89 pt (+1.63%)
レッドチップ指数 3,773.34 pt (+0.42%)
売買代金1,490億7百万HK$(前日1,593億9百万HK$)

今夜開催のFOMCを前に、米市場は警戒モード

6月15日の中国・香港市場は大幅反発した。香港ハンセン指数は前日比1.1%高、中国本土株はCSI300指数が一時、同3%高と今年3月の高値水準を回復した。6月に入ってCSI300指数の上昇率は5%を超えたことになる。

 

今夜FOMCを控える米国市場だが、Nasdaq Golden Dragon China Indexは、前日比6.9%高と米国株と中国株に爬行性も目立つ。

 

15日に発表された5月の中国経済統計では、消費・生産動向ともに前月のデータから回復基調が確認されており、中国の政策効果が中国国内経済の底打ちを裏付ける展開となっている。

 

ハンセンテック指数は他指数をアウトパフォームし、前日比2.3%高と約3ヵ月ぶりの高値まで回復した。中国自動車関連も大幅反発しNIO(9866)が前日比12%高。新作発表会を今夜に控え材料視された。そのほか小鵬汽車(9868)は同6%高、理想汽車(2015)は同5%上昇した。

 

中国主力銘柄も買いに転じ、Eコマース大手のアリババ(9988)、インターネット検索の百度(9888)、Eコマースの京東集団(9618)は揃って前日比4%上昇した。中国の経済回復期待も高まっていることもあり、金融・保険株も物色の対象となりハンセン指数の上昇を牽引した。保険大手の中国平安保険(2318)は同8%高、中国人寿保険(2628)は同6%高となった。

中国経済統計(5月)は底打ち期待を支える

中国:国家統計局が15日発表した1-5月の不動産投資は、前年同期比4.0%減少した。1-4月の2.7%減より減少幅が拡大した。

 

金額ベースで5.21兆元(約100兆円相当)。不動産関連に対しては前年比で減少傾向が続き、規制強化の影響を払拭できずに悪化が続いている。投資動向を示す固定資産投資は、1~5月の累計で前年同期比6.2%増。伸びは1~4月(6.8%)から縮小した。金額ベースで20.59兆元(約410兆円相当)となった。

 

 

 

消費動向を示す小売売上高は前年比6.7%減だったものの、市場の事前予想(▲7.1%)や前月(▲11.1%)実績をいずれも上回った。前月比ベースでは0.05%増加した。

 

一方、飲食店収入は前年比21.1%減と前月の同22.7%減と変わらずで推移し、外食需要の落ち込みは続いている。

 

生産動向を示す工業生産は2ヵ月ぶりにプラスに転じた。5月から段階的に生産再開が進んだものの回復の勢いは鈍かった。ただ上海の封鎖解除から生産と消費には底打ち感が出ており、国内経済の底打ち期待に繋がっている

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

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