(※画像はイメージです/PIXTA)

コロナ禍、学校説明会の参加人数を制限する高校やオンラインで開催する高校が増えています。学校説明会では学校の教育方針や校風、大学進学実績など、基本的な内容の説明が多いですが、実際に親子で足を運んでみる価値はあるといいます。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

親子で実際に足を運ぶと見えてくること

その中で、私は、学校説明会での校長先生の話は、学校の特徴を知る上で、意外とポイントになるのではないかと考えています。特に私立高校は、学校それぞれにカラーがあるので、校長先生の話から、ある程度、その学校の「らしさ」がわかると思います。話し方、言葉遣い、態度、伝えようとしている内容で、学校の理念や教育方針、生徒への対応など、その学校の輪郭が見えてくるのです。

 

特に私立については、ボスである校長先生の話に共感できる学校、印象のいい学校は、我が子にとって、もしくは親として、いかせてみたい学校の候補として、有望なのではないかと考えます。

 

反対に、話の内容にあまりピンとこなかった学校の場合、自分たちの教育方針や、子どもの考え・性格とずれている可能性があります。入学後に、ちょっと違う……と感じてしまうことがないように、少し退屈かもしれませんが、息子にも校長先生の話はしっかり聞くように勧めました。

 

息子と一緒に、ある私立高校の説明会に参加しました。野球をしっかりやれる環境があり、勉強・進学にもきちんと対応する特進クラスがあると事前に調べていました。その学校は、併願優遇で多数の受験生を受け入れている高校で、広い体育館に、たくさんの受験生とその親たちが集まっていました。

 

硬式野球部が敷地内のグラウンドで練習をしていたので、部活の雰囲気はわかりましたが、校長先生は、淡々とお話しされていたため、正直なところ、内容はあまり印象に残りませんでした。説明会後の個別相談にも参加しましたが、特進クラスの担任だという先生は、野球と勉強の両立に難色を示したため(特進クラスに硬式野球部員はいないとの話)、息子も私も「ちょっとここは違う」と感じました。

 

たとえ滑り止めであっても、もしかしたらいくことになるかもしれない学校です。思い描く高校生活が送れる学校であることが大切。その日受けた印象を信じ、この高校は受験校から外しました。

 

反対に、第二志望に選んだ私立高校は、説明会に参加して、校長先生の話す教育方針に共感できました。大学付属を生かした特徴ある授業も魅力的でしたし、部活の様子も確認しました。生徒のプレゼンテーションも印象的で、この学校なら通うことになっても大丈夫だと親子で納得しました。

 

パンフレットやウェブサイトではわからないことが、現地にはたくさんあります。学校説明会の内容は、特別なものではない場合もありますが、学校を訪れるきっかけになります。コロナ禍の場合、予約は大変ですが、校風や雰囲気は肌で感じるもの。数回開催している学校も多いので、予定に入れて親子で実際に足を運ぶと見えてくることがありそうです。

 

【まとめ】
親子で訪れて高校を肌で感じよう!

 

塚松美穂
ライター・教育アドバイザー
学習支援コーディネーター

 

 

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※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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