(※写真はイメージです/PIXTA)

商品を購入するときの情報源として重要視されているのが、実際に利用した人の体験談やクチコミです。そうした生活者のリアルなクチコミは、「生」の情報として、生活者の購買に大きな影響を与えているのです。コンサルタントの井口嘉則氏が著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

SNSを口コミマーケティングに活用する

インターネット広告の項でSNS広告に触れましたが、LINE、Twitter等のSNSは、広告掲載媒体としてだけではなく、利用者の関連投稿で口コミが広がるという口コミ媒体としても活用できます。口コミマーケティングは、英語ではバズマーケティングやバイラルマーケティングとも呼ばれています。

 

「バズ」(buzz)とは「噂をする」、「バイラル」(viral)とは「ウイルス性の」という意味です。バズがどちらかというと話題性を狙ったものであるのに対して、バイラルは人から人へ(ウイルスが感染するように)の伝播を狙っています。

 

(1)SNS口コミマーケティング事例

 

・Airbnb:口コミマーケティングの仕組みを利用して、口コミしてくれる人とそれを受ける人の両方にトラベルクレジットを配布し、旅行者にサービスを宣伝してもらうことを促し、その結果、認知度と利用が高まりました。

 

・はなまるうどん:4月1日のエイプリルフールの日に、「ダイオウイカの天ぷらを出す」という趣旨の呟きをして、評判になり通常の24倍のアクセスがありました。

・無印良品:「無印と言えば、××」という無印の特徴を言い表す表現を募集し、応募者に10%引きのクーポンを渡すとしたところ、応募増加と売上アップ効果があったとのことです。

・AKB48:商品ではありませんが、東京ドームコンサートの名前を募集したところ、話題になり、17万通もの応募があり、話題性が高かったとのことです。

・ハーゲンダーツ:「あのフレーバーをもう一度!」というキャンペーンを各SNS上で募集したところ、たくさん応募が集まり、復活したフレーバーもよく売れたとのことです。

 

(2)口コミマーケティングのポイント

 

①話題性
口コミの対象となる事柄の話題性が重要です。「ねぇ、ねぇ知ってる?」とつい人に話したくなる、SNS上でバズりたくなるような話題です。

 

②お得感
話題にしたり、名前を付けたり、応募したりすることで、その人にクーポンなどお得なものがもたらされるようにすることが必要です。

 

③簡単に反応できる
リツイートしたり、何かを書き添えて投稿したりするだけの簡単な動作、行動で出来るようにしておく必要があります。面倒くさいとなると途端に行われなくなります。

 

④インフルエンサーを活用する
フォロワーが多いインフルエンサーを使うと、最初に伝わる人たちが多いため、そこからの拡散がさらに増えます。また、インフルエンサーの盛り上げぶりも影響を与えます。

 

(3)口コミマーケティングの使い方

 

①SNS投稿……LINEやTwitter、Facebook等のSNSに投稿を行います。
②ハッシュタグ……#エイプリルフールのようにハッシュタグ(#)を付けて、投稿します。検索に役立ちます。
③動画等画像……動画などを添えて、観てもらえる投稿を作成すると効果的です。

 

ポイント
口コミマーケティングもSNS活用方の一つ

 

次ページネットを使ったマーケティング手法を活用

※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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