本記事は、東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)への取材レポートです(取材日:5月18日)。4~5月のリート動向と今後の見通しについて、中村氏が解説します。
足元のREIT動向と当面の見通し
東証REIT指数は、2000ポイントを超える場面では利益確定売りが上値を抑える一方、1950ポイントを下回る調整場面(5月12日に一時1930ポイント程度まで下落)では押し目買いが強まり、概ね1950~2000ポイントを挟んでの値動きとなった。
指数ベースではグローバルでみたイールドスプレッド面での割安感や国内の経済正常化の進展期待が今後も下値を支えるとみている。
ドル建ての東証REIT指数は年初来安値圏にあり、海外投資家を中心とした買いも期待できると考える。テクニカル的には当面の下値を75日線である1940ポイント程度、上値を52週線である2050ポイント程度と想定する。
指数寄与度の大きいオフィスREITのファンダメンタルズ面の改善は鈍く、仮に200日線を超えた場合でも心理的な節目である2100ポイント程度が上値目途になるとの見方を維持する。
(取材日:5月18日)
中村 貴司
東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)
東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)
山一證券、メリルリンチ日本証券、損保ジャパンアセット(現SOMPOアセット)などでの富裕層・法人営業に加え、年金基金、投資信託のアナリストやファンドマネージャーとして新興市場やオルタナティブを含む幅広い市場・商品の担当責任者を経て、2016年に東海東京調査センター入社。
現職では短中期の戦術的資産配分(タクティカル・アセットアロケーション)やオルタナティブ投資(ヘッジファンド・テクニカルやコモディティ戦略含む)の視点を踏まえたグローバルな日本株の市場分析等を行う。他の代替資産・戦略としてJリート投資戦略、ESG投資戦略、行動ファイナンス投資戦略などもカバーしている。
英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA。アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院米国臨床心理学修士号(MA)。慶應義塾大学商学部卒。国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、国際テクニカルアナリスト連盟検定テクニカルアナリスト(MFTA)、CFP、英国王立勅許鑑定士(MRICS)、不動産証券化協会認定マスター、中小企業診断士。
日経CNBCなどのTV・メディアに出演。日経新聞、QUICK、ロイター、ブルームバーグ、時事通信、東洋経済オンライン、幻冬舎ゴールドオンラインなどでも執筆、コメントを行う。ヘッジファンド・テクニカルのキャリアとして世界のテクニカルアナリスト協会を束ねる国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)の理事などを歴任。早稲田大学ビジネスファイナンスセンターや同志社大学、青山学院大学等で講師を務める。
著書には投信営業に行動ファイナンスアプローチなどを活用した『会話で学ぶ!プロフェッショナルを目指す人の「投信営業」の教科書』(2021年)がある。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載東海東京調査センター「オルタナティブ投資戦略取材レポート」