生活を立て直すための「地震保険」
■特約をつければ100%の補償も
地震保険は、火災保険では補償されない地震、噴火、津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出を補償する保険です。
たとえば、地震や噴火が原因で、家が燃えてしまったとしても火災保険からの補償を受けることはできません。別途、地震保険に加入する必要があります。つまり、地震を原因とする火災は、地震保険でしか補償されないのです。
参考までに、火災保険には、「地震火災費用保険金」と呼ばれるものがありますが、あくまでも費用保険金なので、火災保険金の5%と少なめしか受け取れません。
地震保険は、火災保険とセットで加入することが法律で定められています。火災保険に加入する際に、地震保険の存在を知り、地震保険にも加入するかどうかを悩む人も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
というのも、地震にあう確率は低いにもかかわらず、保険料が大幅にアップしてしまうからです。実際、地震保険の加入率は、全国平均で火災保険に入っている人のうちの66・7%と少なめ。
地震保険で補償される金額は、火災保険の保険金の30~50%の範囲内です。さらに上限が決まっており、建物は5000万円、家財は1000万円が限度となります。
地震で建物や家財が全損になったとしても、火災保険金の半分しか受け取ることができません。
満額が支払われた場合でも、家を建て直そうと思ったら、とうてい足りる金額ではないのです。
しかし、被害を受けた人の生活をより早く立て直すためにも地震保険は必要だといえるでしょう。
もし、家を再建するのための金額を確保したいなら、特約をつけることで、建物価格の100%に保険をかけることができます。
▶損害保険ジャパン「地震危険等上乗せ特約」
地震保険金が支払われる場合、地震保険と同額を支払う。最大で火災保険金額の100% まで補償される。
▶東京海上日動火災保険「超保険」地震危険等上乗せ補償特約
地震等を原因とする損害について最大100%の補償が可能となる。
■地震保険の保険料は
地震保険の保険料は、建物の構造や、所在地(都道府県)によって異なります。たとえば、地震による被害を受けにくい鉄骨造やコンクリート造の建物は、木造の建物に比べて保険料が安く設定されています。
地震保険は、政府と民間の保険会社による共同運営のため、地震保険の保険料は、どこの保険会社で加入しても同じ金額になります。
地震保険には建物の建築年数や免震・耐震性能などに応じた4つの割引制度が設けられています。複数の割引を重複して適用することはできませんが、もっとも割引率が高くなる割引を選びましょう。
地震保険も火災保険と同じように、建物と家財は別々に加入します。地震による被害は、建物よりも家財のほうが受けやすい傾向にあります。地震大国である日本に住む限り、家財を含めて地震保険の加入が必要だといえるでしょう。
長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
横川 由理
FPエージェンシー代表
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