結果的に損をする可能性もある減価償却の活用
減価償却というのは、税金上、所有している資産(償却)が使っていくうちに価値が目減りしてくるような計算をして、毎年毎年、経費計上していくものです。
償却資産は、国によって法定耐用年数が定められています。例えば、法定耐用年数を超えた築古物件を個人で購入して、一気に引き落とす減価償却は、スナップショットで見れば節税できていますが、ビデオで見ると結果的に損をしている場合もあります。
<減価償却費の計算>
●法定耐用年数を全て経過したもの
法定耐用年数×0.2=残存耐用年数
●法定耐用年数を一部経過したもの
法定耐用年数−経過年数+(経過年数×0.2)=残存耐用年数
売却時の「簿価」が大きく減っていれば・・・
簿価というのは帳簿価額という意味です。現在の減価償却がどれくらい残っているかということです。
1000万円で買った物件を5年で減価償却した場合、毎年200万円ずつ経費計上していきます。そして3年後に売却します。3年間200万円を減価償却費として計上としているということは、簿価は400万円です。
さて、1000万円で購入した物件を3年後に半額の500万円で売却したとします。3年で半分まで値下がりしたということで、だいぶ損を出した気になりますが、簿価が400万円ということで、100万円儲かったことになります。
確定申告で減価償却していけば、その分だけ簿価も減っていきます。大きく減価償却費を使えると、節税できた気持ちになりますが、実際には簿価も大きく減っていきますから、売却時に利益が出やすくなるのです。