30日…仕事をする人の完成
ラテン語に、「仕事の完成よりも、仕事をする人の完成」という言葉があるそうですが、その人格の完成もまた仕事を通じてなされるものです。いわば、哲学は懸命の汗から生じ、心は日々の労働の中で練磨されるのです。
31日…人生のバイブル
私は、「善きことを思い、善きことをするときには、天地が味方する」ということを人生のバイブルとしてこれまで歩んできた。
6月1日…夢に酔う
ビジネスを成功させるためには、夢を抱いてその夢に酔うということがまず必要だ。夢に酔っていればこそ、それを実現させる情熱が湧いてくる。もちろん、実際に事業に着手したら、いつまでも夢に酔っているのではなく、スタートした瞬間から、理性的に判断し、無用な危険を避け、実際的な方策について考え尽くし、仕事を成功に導くようにしなければならない。
6月2日…できない理由
できない理由を並べ立てる人がいる。それでは新しい事業を達成することはできない。何もないことを前提として、目標を達成するために必要な人材や設備、技術をどう調達するかを考えなくてはならない。
6月3日…大胆に構想する
今まで誰も試みなかった前例のないことに挑戦するときには、周囲の反対や反発は避けられない。それでも、自分の中に「できる」という確固とした思いがあり、すでに実現しているイメージが描けるならば、大胆に構想を広げていくべきだ。
6月4日…繊細に取り組む
製品には、つくった人の心が表れる。粗雑な人がつくったものは粗雑なものに、繊細な人がつくったものは繊細なものになる。
6月5日…いい仕事をする条件①
いい仕事をするために必要不可欠なこと──それは何でしょうか。
一つは、「細部まで注意を払うこと」。
雑用のような単純作業でも、いや、単純作業であるからこそ、丹念にていねいにこなす必要があります。「神は細部に宿りたまう」というドイツの格言があるように、仕事の本質は細部にあります。いい仕事は、細部をおろそかにしない姿勢からこそ生まれるものなのです。
稲盛 和夫
京セラ株式会社
名誉会長