(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産を活用した資産運用の一種「REIT」。さまざまなジャンルの複数の不動産に分散投資可能なところがポイントであり、魅力です。日本のREIT系金融商品「J- REIT」の投資対象は、都心部のオフィスビルや居住用マンションなど意外と身近。J-REIT市場が開設されて20年、いま注目のジャンルやその収益性を探ります。

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    当面は、物流施設特化型やヘルスケア特化型が優勢か

     

    2001年の取引所開設当初、J-REITに上場したのはオフィスビルを投資対象とする銘柄ばかりでした。

     

    その後、ショッピングモールなどをメインとした「商業施設特化型」や、居住用マンションなどをメインとした「賃貸住宅特化型」、大型倉庫などをメインとした「物流施設特化型」、オフィス・住宅・商業施設・物流施設など幅広い不動産ジャンルから投資対象を選べる「複合型」(不動産ジャンルから2種類)、「総合型」(不動産ジャンルから3種類以上)といったREIT商品が次々と誕生しました。

     

    さらに「地域特化型」「ホテル特化型」、工場・研究開発施設などをメインとした「産業用不動産特化型」など、J-REITの守備範囲は拡大の一途を辿ります。

     

    しかし2008年に発生した「リーマン・ショック」以降、J-REIT市場に関わる不動産投資法人の上場廃止や合併が相次いだことから、各法人ともこれまでのジャンル拡大路線から淘汰路線へとシフトチェンジせざるを得なくなります。

     

    そして2013年をターニングポイントに、物流施設特化型の新規銘柄が増えはじめます。それに並行し、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック特需を見据えたホテル・商業施設への投資ニーズも高まっていきます。その結果、J-REIT市場開設当時から主力となっていたオフィスビルへの投資割合が減少していくことになります。

     

    2020年以降、J-REIT市場はコロナ禍に翻弄されることになります。特需を見込んでいた東京オリ・パラも見事な空振りに終わり、新築ホテルの工事中断、開業直後の無期限休業・廃業が目立つようになります。

     

    一方で宅配・デリバリーなど運輸・物流業者は多忙を極め、輸送車ターミナルや商品倉庫の需要は高まるばかりです。コロナ禍以降、「エッセンシャルワーカー」という呼び名が多用されるようになりましたが、それに該当するのは運輸・物流業者や医療・福祉従事者などです。これが新たなREIT需要のヒントとなり、医療系施設など「ヘルスケア特化型」のREIT商品を扱う銘柄も誕生しています。

     

    J-REIT市場は当面、物流施設特化型およびヘルスケア特化型への投資が優勢になる見通しです。現在の分配金利回りは概ね4~5%台で推移しており、一番人気はさまざまな不動産ジャンルをバランスよく組み合わせられる総合型商品になっています。

     

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    ※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。

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