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アパート&マンションの1階、何かと嫌われがちだが…
多くの不動産店では、賃貸住宅を探しに来店した顧客に希望物件等のアンケートを行っています。そこで必ずと言っていいほどチェックマークが付くのが「2階以上」の項目です。
1階住戸が入居者から避けられる理由は、いろいろな意味で「不安」を感じるという点にあります。
しかし、建物は1階部分があるのは必然。まさか地上から浮かせて建てるわけにはいきません。大規模マンションなら駐車場やエントランスホールなどの共用部にする方法もありますが、中小規模のアパート・マンションではそうはいきません。ましてや土地価格の高い都心立地でそんなデッドスペースはあり得ません。1階にも数多く住戸を配し、しっかり家賃を取らないと大赤字になってしまいます。
1階住戸の「イヤなところ」9つ
そこでまず、なぜ1階住戸が嫌われてしまうのかを考えてみましょう。
●プライバシーが守られない
車や人が往来する道路側にリビングの窓が面していると、常に外部から除かれているような気がして落ち着かないものです。
●騒音が気になる
窓が道路に面していれば、行き交う車のエンジン音や通行人の会話が聞こえてくることもあります。外からばかりでなく、上階の部屋から響く足音も気になります。
●日当たりが悪い
周囲の建物に囲まれた最下階にある1階住戸の日当たりが悪くて当たり前です。外部からの視線を気にして窓のカーテンを閉め切っていれば室内はさらに暗くなり、終日照明を点けて過ごすことになります。
●上階からの落下物に悩まされる
1階住戸の外に庭やテラスがある場合、上階から不意に洗濯物やゴミが落ちてくる場合もあります。上階の住人に悪気はないのかもしれませんが、そういったことが頻繁に起こればストレスが溜まります。
●冬寒く、夏暑い
1階住戸は地面に近いため、冬場は地表から伝わる冷気の影響を受けやすく、日当たりが乏しいことも相まって室内がなかなか暖まりません。一方、夏場は強い日差しで暖められた地熱と熱風にさらされます。
●カビが繁殖しやすい
日差しが届かないことに加え、地面からの湿気も上がりやすい1階住戸はカビの発生に適した環境になってしまっています。
●虫が入りやすい
庭やテラス、または窓辺に花壇や生け垣などがある1階住戸には、植物内に生息するクモやハチ、蚊などの害虫が入り込みやすくなります。
●災害に弱い
大きな地震で建物が崩壊した場合、真っ先に潰れる危険性があるのは1階住戸といわれます。また集中豪雨などで建物が浸水した場合も、最初に被害を受けるのは1階住戸です。
●防犯上の不安がある
外部から見通しが良く手が届きやすい位置にある1階住戸は、空き巣などに狙われる危険性が最も高くなります。
1階住戸のデメリットを解消するため、窓にルーバーを付けたり、曇りガラスを採用している物件もありますが、これでは室内の閉塞感が高まってしまいます。上階からの落下物はタープ等を張ることである程度防げますが、その分日当たりは悪くなります。
夏冬の室温はエアコンで調節可能ですが、季節を問わず電気代がかかってしまいます。空き巣などの犯罪を未然に防ぐためには、ホームセキュリティシステムの導入や、地面に玉砂利を敷く(踏むと足音がするため)などの工夫も必要になってきます。