(※写真はイメージです/PIXTA)

ガソリンや食品類、日用品の値上げが相次ぎ、実生活でもインフレを実感することが増えてきました。日本人は「資産形成=銀行預金」と思考&行動しがちですが、ゼロ金利のうえにインフレとなれば、銀行口座に眠る大切な虎の子は実質、目減りしているのと同じです。これまで銀行預金一辺倒だった人に向け、経済評論家の塚崎公義氏が、資産形成の選択肢のひとつとして、株の長期投資について解説します。

企業が儲かれば、投資家も(期待値として)儲かる

企業が儲かれば、株主も期待値として(確率的には)儲かります。配当が受け取れますし、内部留保の分は1株あたり純資産を増やすことで「妥当な株価水準」を押し上げる効果をもつからです。

 

ただし、あくまでも期待値ですので、企業が儲かっても株価が下がって損をする可能性はあります。期待値がプラスであっても、1銘柄だけを持っていたのでは、その企業が運悪く没落してしまうという可能性もあるからです。

 

多くの銘柄の株を買ったとしても、やはり損をする可能性はあります。買った日が、偶然株価が高い日で、そのあと株価が暴落した、といったことも起こりかねないからです。

「銘柄分散」と「時間分散」で、着実な収益を狙おう

株式保有が確率的に儲かるのであれば、多くの株式を少しずつ買えば「平均すれば儲かった」といえる可能性が高いでしょう。100銘柄の株を買えば、全部の企業が没落してしまうことは考えにくく、高い確率で半分以上の企業が成長を続けて、100社平均の利益は増加していくでしょう。

 

たまたま投資した日が株価の高い日であった、といった不運を避けるためには、毎日少しずつ株を買えばよいのです。毎日でなくても、何回かに分けて買うということですね。

 

ひとつの銘柄の株を一気に買えば、「その会社が偶然成長し、偶然その日が株価の安い日だったので大儲けができた」という可能性もありますが、反対に大損をする可能性もあります。

 

大切な老後資金等の運用に際しては、大儲けを狙うのではなく大損を避けて安全運転を心がけることが大事ですから、多くの銘柄を、時間をかけて少しずつ買う、というのがよいでしょう。具体的には投資信託の積み立て投資が簡単で安全だ、と筆者は考えています。

 

本稿は以上ですが、投資は自己責任でお願いします。なお、本稿は筆者の個人的見解です。また、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。

 

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「幻冬舎ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「幻冬舎ゴールドオンライン」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

塚崎 公義
経済評論家

 

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