共済を運営している団体は多数ある
▶共済
死亡保障や医療保障は共済も提供しています。もっとも大きな特徴は、営利を目的としていないことです。毎年の決算後に余ったお金を割戻金として加入者に戻してくれるため、実質の掛金はもっと割安です。
■必要な時期に必要なだけ保障を得たいなら有効
死亡保障や医療保障を提供しているのは、保険会社の商品に限りません。共済という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。共済のしくみは、組合員がお金を出し合って「お互いに助け合う」という精神で運営されています。もっとも大きな特徴は、営利を目的としていないことが挙げられます。
一口に共済といっても、運営している団体は数多くあります。代表的な共済は都道府県ごとに運営している都道府県民共済です。東京都なら都民共済、大阪府なら府民共済、福岡県なら県民共済といいます。保障される内容は、埼玉県民共済を除いて全国一律となっています。
そのほか、CO-OP共済、こくみん共済coop(全労済)、JA共済などが代表的です。また、各自治体などが独自に行っている共済もあります。
今回は都道府県民共済についてお話ししましょう。掛金も安く、毎年の決算後に余ったお金を割戻金として加入者に戻してくれます。
2020年度における総合保障型・入院保障型の割り戻し率は、都民共済の場合、39.77%でした。2000円の掛金なら1年間で2万4000円。このうち9545円が口座に振り込まれ、割戻金を差し引いた後の実質の掛金は、わずか1205円。
この金額で総合保障型の場合、病気死亡:400万円、不慮の事故での死亡:800万円、入院:ケガは日額5000円、病気は日額4500円で、事故時の後遺障害も保障してくれます。さらに病気で入院の日数は124日までロング保障。掛金の割に手厚い保障であることがわかります。
一方、入院保障型は1日あたりの入院が1万円と大型保障。総合保障型と同じく、病気での入院124日目まで保障してくれます。
通常の医療保険は60日までを限度とすることが多いので、入院保障型なら60歳まで手厚い保障を得ることができます。参考までに60歳以降は1日あたり7500円となります。
注意することは、この保障は65歳までであること。その後は熟年型に移行し、徐々に保障額が少なくなっていきます。
死亡や医療などの保障は、一生涯を通じて必要とはならないものです。必要な時期に必要なだけ、保障を得たいのなら、共済も有効な選択肢となってくるでしょう。
長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
横川 由理
FPエージェンシー代表
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