入居者急病…老人ホーム協力医療機関の医師が「まさかの暴言」 (※写真はイメージです/PIXTA)

どのような立派な経歴のある医師よりも、老人ホームの近くに居住し、いざという時は、夜間だろうとなんだろうと、ホームに飛んできてくれる医師が、老人ホームの医師としては一番有益です。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者の小嶋勝利氏が著書『間違いだらけの老人ホーム選び』(プレジデント社刊)で、良い老人ホームの選び方を明らかにします。

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看護師が常駐している必要性はない

私が考える老人ホームの医療体制について、整理しておきたいと思います。なお、誤解があるといけないので記しておきますが、老人ホームにとって、医療体制は、けっして軽視するべきものではありません。重要なものです。

 

しかし、老人ホームの場合、医療体制を整備すること自体が至難の業わざなのです。したがって、医療機関と同じであると考えることは危険です。さらに、多くの要介護高齢者にとって、高度な医療体制の保持が本当に必要なのかということも、実は疑問です。

 

まず、医療従事者は医療機関で働くのが普通です。したがって、介護施設では働きません。これが一般的な話です。ちなみに、医療機関よりも介護施設のほうが、一般的には賃金も低いはずです。この点からも、介護施設や介護現場で医療従事者が喜んで働くということは、ケースとしては少ないと考えるべきなのです。

 

平たく言うと、能力の高い医療従事者が介護施設で医療という仕事をすることはレアケースだと、考えるべきだと思います。私の現場経験で言うと、多くの介護業界で仕事をしている医療従事者は、最前線の医療機関を何らかの理由でリタイヤした人たちだと思います。医療従事者ではありますが、医療機関と同じ能力、実力を求めてはダメということをまず認識しておくべきです。

 

したがって、急に具合が悪くなった場合、医療処置を求めるのであれば、医療機関で受診するしかないということになります。老人ホームの場合は、いざという時は、近隣のかかりつけの病院に搬送するという判断になります。

 

24時間365日、看護師が常駐している必要性は、一部の特殊な事情を抱えている入居者以外は、きわめて低い、ということになります。

 

もし、入居者が、24時間、常時、医療処置をしなければならない状態でないのであれば、割高の24時間看護師常駐ホームに入居する必要はありません。昼間だけ看護師が常駐しているホームで十分です。24時間の看護師配置は、オーバースペックになっているだけです。

 

たとえるなら、1年に1回程度しか高級レストランや高級ホテルを利用しないにもかかわらず、高額な年会費が必要なプラチナカードを持っているようなものだと思います。

 

そうはいっても、どうしても医療に対し信仰心の強い方は、24時間看護師配置のホームに対し、入居前に次のことは必ず確認してください。

 

まず、夜間に配置されている看護師は、派遣看護師かどうか? です。もし、派遣看護師であるという場合は、次のことも確認してください。派遣でもいいですが、毎日、同じ看護師が派遣されてくるのか、日替わりで違う看護師が派遣されてくるのか、をです。

 

毎日、同じ看護師が派遣されているという勤務形態であれば、救いようがありますが、日替わりで、毎日誰が来るのかもわからない、というケースの場合は、その看護師は、ほぼ、機能しないと判断しなければなりません。ちなみに、毎日、夜勤帯は日替わり派遣が来るような老人ホームは、24時間ナース配置ホームとして、基準さえ満たしていればよいという考え方のホームだと考えます。

株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載失敗しない「老人ホーム選び」の鉄則

※本連載は小嶋勝利氏の著書『間違いだらけの老人ホーム選び』(プレジデント社刊)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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