FIREで話題の「不動産投資」…本当に儲かるのか?リスク・リターンを徹底分析【1級FP技能士が解説】

FIREで話題の「不動産投資」…本当に儲かるのか?リスク・リターンを徹底分析【1級FP技能士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資とは、不動産物件を購入して第三者に貸し出し、その家賃を収入として受け取る投資手法のことを指します。過日、地上波TV番組で元証券会社の女性が不動産投資を始めてFIRE*しているとピックアップされていました(*FIRE =Financial Independence, Retire Earlyの略で、経済的自立〔Financial Independence〕を確立し、早期退職〔Retire Early〕することを意味する言葉です)。でも、不動産投資って本当に儲かるのでしょうか? 今回は「一棟買い」と言われる不動産投資に限定して、そのリスクとリターンについて検証してみたいと思います。

想定される「不動産投資のリスク」

不動産投資は先に挙げたメリットはありますが、以下のようなリスクがあります。

 

①空室リスク

②賃料滞納リスク

③物件価格変動リスク

④金利変動リスク など

 

各リスクについてもう少し詳しく精査してみましょう。

 

①空室リスクは、どの物件にも生じるリスクですが、サブリースと言われる空室保証などを用意している管理会社も存在し、このリスクを排除することも可能です。しかしながらサブリースを利用した場合の家賃は近隣の想定家賃より低め目に設定されていることが多く、リスクを取ってでもサブリースは利用しないという方も多いです。特に東京23区で駅近くの物件などは高い需要があり、賃貸需要の高いエリアであれば、退去後もすぐに次の入居者が決まることも多いようです。築年数や設備も空室リスクには大きく影響を及ぼすポイントです。

 

②賃料滞納リスクについては、保証会社を利用して回避しているケースが増えています。連帯保証人を付ける替わりに保証料は入居者負担で滞納保証に加入するという仕組みです。最近の賃貸マンションを利用する若年層の傾向は保証会社利用にあり、かつては外国人入居者を嫌っていたマンションオーナーも当該仕組みを利用して稼働率をアップさせているようです。

 

③物件価格変動リスクは、一棟買い不動産そのものの価格についてのリスクであり、その価格は不動産賃貸料金にも連動します。リーマンショックのような世界経済に大きな影響を及ぼす、不動産価格の下落状況に陥った際のリスクをヘッジする方法は残念ながら存在していないといっても過言ではないでしょう。

 

④金利変動リスクは、不動産は高額の買い物になることが多いため、借入をして購入する際に生じるリスクです。先に挙げました事例でも1億9,700万円の物件に対し、1億8,000万円(LTV91.3%)を借入した想定で計算してありますが、長期の借入となるため金利上昇時のリスクは常に考え、不動産購入前に綿密な資金計画を立てることが欠かせません。安易に金利上昇のときには家賃を上げればいいと考えているとヤケドすることもあります。

 

以上のように、不動産投資は許容すべきリスクがいくつか存在しています。自身の許容範囲で収まるリスクであるか、不動産投資を行う前には熟慮する必要が生じるのです。

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