「新築マンション=資産として有利」の風潮だが…タワマンに価値はあるのか【1級FP技能士が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

子どもや家族のために家を持ちたい、もっと広い家に住みたい、老後の安心のために持ち家がほしい…。マンション購入に至る理由は様々でしょう。一方で近年、新築マンションを「資産として有利」と考えて購入する人が増えているようです。今回は人々の憧れ、タワーマンションに着目して考えていきましょう。

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タワーマンションとは?タワマンの定義や特徴

最近リバーサイドやターミナルステーションなどで多くみられるようになった「タワーマンション」。60mを超える20階建て以上のマンションは建築基準法で超高層建築とみなされ、通常の構築物より厳格な構造・耐震・安全性などの基準が設けられていることから、販売者側はこれらの基準を満たしているマンションを「タワーマンション」としています。ただ、特にタワーマンションと呼ぶための定義はないようです。

 

また、タワーマンションは一般的なマンションと比べ、価格が落ちにくいと言われています。一般的なマンションは、築10年を過ぎると価値を落としますが、タワーマンションは大手ゼネコンやデベロッパーが、ジムやラウンジなどのサービスを充実させていることで、そこまで価格の下落は少ないと言われています。

 

また、同じタワーマンションでも階数によって価格が大きく異なっていることも、特徴といえます。高層階になればなるほど価格は高く、低層階ほど価格が低い傾向があり、入居者の話では「入居者にはエレベーターで押す階数により妙な優越感と劣等感が存在する」と言われています。

タワーマンションにかかる「お金」

■タワーマンションの維持費は?管理費相場は「月15,000円程度」だが…

一般的なマンションと比べ、タワーマンションでは管理費が高いと言われています。タワーマンションの管理費相場は月15,000円程度です。一般的なマンションの管理費は、エレベーターや通路、ゴミ捨て場などの共有部分に関する管理維持費に充当されますが、タワーマンションの場合はこれに加え、提供されているサービスによって、コンシェルジュの常駐費や整った設備(ジム・ランドリー・ラウンジなど)の衛生管理費もアドオンされています。

 

また、車を所有している人は、駐車場を利用する際に、毎月駐車利用料がかかります。近隣駐車場の相場にもよりますが、都心のタワーマンションで月50,000円程度が駐車利用料と言われています。

 

一般的なマンション同様、修繕積立金や固定資産税も維持費として考えておかなければいけません。修繕積立金は管理組合の有無、販売者側の設定により地域差がありますが、5,000~10,000円程度がタワーマンションでの相場です。固定資産税評価額は購入額に比例していることが多いので、高層階のほうが高く一般的なマンションより高額になっています。

 

■タワーマンションの購入価格は?都内新築なら4,000万~2億円程度が主流

東京都内のタワーマンションは、エリアにもよりますが、新築で4,000万~2億円程度の物件が多いようです(除くハイクラス・タワーマンション)。デベロッパーや大手ゼネコンは建設費用の積上げと土地代を入居戸数と居住スペースで除して、購入者の購入スペースを乗じた計算で、おおよその金額を設定しているようです。同程度の居住スペースの一般のマンションと比べ、購入価格は1.5~2.5倍程度高くなっている感覚です。

 

前記しました維持費と賃貸物件での賃料とを比較した場合、その差額をイニシャルでかかる購入費用を何年居住するかで割り戻すことで、賃貸とすべきか購入すべきかの目安になると思います。

タワーマンションのメリット・デメリット

タワーマンションにはどのようなメリットとデメリットが存在するのでしょうか。主観的な見地ですがメリットから挙げてみました。

 

<タワマンのメリット>

●(高層階の場合)眺望がよい

●利便性が高い(都市部に位置する物件では、交通の便が良いことが多いです)

●設備の充実度が高い(備え付け家具や、キッチンを含め最新のものが用意されています)

●資産価値が高く下がりにくい(あくまで一般論ですが、築年数の割に下がらないです)

 

しかしながら、特有のデメリットもあります。購入をベースで検討する場合、どのようなデメリットがあるのか、知っておくことも重要です。

 

<タワマン購入のデメリット>

●購入価格や維持費が高い

●エレベーターの待ち時間が長い(高層階であると低層階入居者による停止階も多い)

●風が強く外に洗濯物が干せない(テラスが広い物件もありますが、室内干しや乾燥機利用が推奨されています)

●日当たりがよいため冷房が効きにくい(光熱費は、通常マンションと同じスペース利用で2割増しくらいと言われています。これは各部屋の作りが広いためと思われます)

 

購入価格はもちろんのこと、月額の維持コストも高額となることはデメリットと言えます。特に管理コストは大きく、ラウンジやジムなどの共有施設を使わなかったとしても、住居者に平等に支払い義務を設定しているケースが多く、利用頻度の低い入居者にとっては不公平感を感じることになるでしょう。

まとめ:タワーマンションの価値をどう考えるか?

タワーマンションとひと言で表現しても、ロケーションや居住するスペース・階数によってまったく違った住環境となってしまいます。一つ確実なことは、日本は世界に比べ少子高齢化のスピードが早いということです。この現象が居住スペースや住環境の考え方について変化を生じさせることは間違いないでしょう。また、新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増加し出勤などの移動時間は減少しています。マンションの価格決定要素の一つに需要供給バランスがあり、このバランスはちょっとした社会環境で大きく変わってしまいます。

 

ドラマから飛び出してきたような住環境やロケーションで生活することがすべての人から求められるとは言えませんし、時代の変化に合わせて生活スタイルを変えることのほうが重視されるべきだと思います。マンション購入を考えた場合、タワマンか一般的なマンションかを比較するのではなく、賃貸か購入か自身のライフスタイルにあった資産形成を考えるべきではないでしょうか。

 

タワマンの価値が上昇するか下落するか評価することは難しく、それは日本円がドルやユーロと比べて上昇するか下落するか考えることと同じです。しかし、同額の投資をタワマンに費やすか、他の資産運用でライフスタイルを充実させるか、読者の判断に委ねたいと思います。

 

 

笹田 潔

1級FP技能士

宅地建物取引主任士

投資診断士

 

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株式会社BPアレンジメント 代表取締役 1級FP技能士
宅地建物取引主任士
投資診断士

大手損害保険会社入社後、17年後に投資銀行へ転職。投資銀行で10年間、新事業会社の立上げを中心とした役割を担う。

投資銀行子会社の公会計コンサルティング会社で4年代表取締役として、全国の地方自治体の会計コンサルタントとして活躍。

公会計分野の事業およびチャネルを譲り受ける形で独立し、現在に至る。

【株式会社BPアレンジメント(https://bp-arrange.com/)
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著者紹介

連載1級FP技能士が解説!知っておきたい「お金」のはなし

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