(写真はイメージです/PIXTA)

19年5月、トヨタの販売店に勤務していた男性が亡くなった原因が2年経って「パワハラによるもの」と認定されました。いまやパワハラは企業にとって避けられない問題です。本記事では、企業法務に詳しいAuthense法律事務所の西尾公伸弁護士が、2022年4月から中小企業にまで対象が拡大された「パワハラ防止法」に沿って、企業が取るべき対策をわかりやすく解説します。

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トヨタ販売店社員へのパワハラ事例

トヨタ自動車の販売店に勤務していた30代の男性が自ら命を絶ったことは、当時の上司によるパワハラが原因だったとして、労災と認定されました
※ NHK:トヨタ販売店社員自殺“上司のパワハラ原因” 労災認定 神奈川
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211020/k10013315251000.html)

 

報道によると、男性は他の社員の前などで上司から頻繁に厳しい叱責を受けていた他、月に100時間を超える残業をしていたようです。男性は、亡くなる数ヵ月前からうつ病を発生していました。

「パワハラ防止法」範囲拡大…中小企業も対象に

ニュースなどで大々的に報道されるパワハラ問題は、大手企業の事例がほとんどです。

 

しかし、それはあくまでも社会的な影響の大きさから優先的に報道されているにすぎません。パワハラは決して一部の大手企業のみに関係する問題ではなく、どの企業でも起こりうる問題です。

 

多発するパワハラは社会問題となっており、これを受けて「パワハラ防止法」が制定されました。この法律はこれまで、一定規模以上の企業についてのみ先行して施行されていましたが、2022年4月1日からは中小企業を含むすべての企業が対象となります。

 

「パワハラ防止法」とは

 

パワハラ防止法というのは通称であり、正式名称は「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」です。

 

この法律では、パワハラ以外にも再就職の援助や外国人の雇用管理の改善などについて定めており、このうち第9章の「職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主の講ずべき措置等」にてパワハラ防止について定めています。

 

パワハラ防止法では事業主がパワハラ防止のために講じるべき措置などについて定めており、パワハラ予防が事業主の責務であることを明確とした法律です。

 

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本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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