(写真はイメージです/PIXTA)

19年5月、トヨタの販売店に勤務していた男性が亡くなった原因が2年経って「パワハラによるもの」と認定されました。いまやパワハラは企業にとって避けられない問題です。本記事では、企業法務に詳しいAuthense法律事務所の西尾公伸弁護士が、2022年4月から中小企業にまで対象が拡大された「パワハラ防止法」に沿って、企業が取るべき対策をわかりやすく解説します。

そもそも「パワハラ」とはなにか

※ 厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室):職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000611025.pdf)

 

パワハラ防止法によれば、パワハラは「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害される」ことであると定義されています。

 

これを分解すると、次の3つをすべて満たすものがパワハラに該当します。

 

1.「優越的な関係を背景とした」⾔動であること

 

言動をする人が、言動の対象者に対して優越的な関係を有することが、パワハラの要件の1つです。優越的な関係といっても、必ずしも上司から部下に対するものに限られるわけではありません。

 

具体的には、次のようなものがこれに該当するとされています。

 

・職務上の地位が上位の者による言動
・同僚または部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協⼒を得なければ業務の円滑な遂⾏を行うことが困難であるもの
・同僚または部下からの集団による⾏為で、これに抵抗や拒絶することが困難であるもの

 

2.「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」⾔動であること

 

上司が部下を叱責したからといって、それがすべてパワハラに該当してしまえば、部下の指導などできず企業活動が滞ってしまうでしょう。当然ながら、業務をするうえで必要かつ相当な叱責などであれば、パワハラには該当しません。

 

一方で、たとえば次のものはパワハラに該当し得るとされています。

 

・業務上明らかに必要性のない言動
・業務の目的を大きく逸脱した言動
・業務を遂⾏するための⼿段として不適当な言動
・当該⾏為の回数、⾏為者の数等、その態様や⼿段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動

 

ただし、これに該当するかどうかの判断はその発せられたことばや行為、行為の回数などで画一的に線引きするのではなく、言動が行われた経緯や状況、労働者の属性や心⾝の状況などの事情を総合的に考慮して判断すべきとされています。

 

3.「就業環境が害される」こと

 

言動により、労働者にとって就業環境が不快なものとなったために能⼒の発揮に重大な悪影響が生じるなどの支障が生じることを指します。

 

これに該当するかどうかの判断にあたっては、平均的な労働者の感じ方が基準とされています。

 

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    本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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