脳疾患で要介護の夫…「毎日お見舞い」の老妻が取った驚きの行動 (※写真はイメージです/PIXTA)

要介護状態になったご主人が老人ホームに入居。ホームの近くに住む奥さまは、毎日、決まった時間にご主人の様子を見に来ます。傍から見ると、とても献身的にご主人の面倒を見ているように見えますが…。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者の小嶋勝利氏が著書『間違いだらけの老人ホーム選び』(プレジデント社刊)で、良い老人ホームの選び方を明らかにします。

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親の状態によって、老人ホームを選ぶ場所は違う

実は、子世代が老人ホームの立地を選ぶ時、次のような理由で変わります。親を自分の自宅近くに引き寄せるというケースの多くは、対象者である親が自立の場合です。ここで言う「自立」とは、頭のことを言います。

 

つまり、認知症状ではないということになります。多少、手足が不自由であっても、目や耳が悪くても、頭さえしっかりしていれば、コミュニケーションを取ることはできます。したがって、自立の親の場合は、子世代は自分の手元に置くという傾向が強いと私は考えています。

 

なぜでしょうか? 多くのケースでは、コミュニケーションをお互いにしっかりと取ることができるため、お互いの考え方や方針を確認することができるからだと思っています。平たく言うと、お互いの今後の人生設計に対する話などもしっかりとすることができるため、近くのほうが便利であるということです。

 

しかし、重度の認知症などになってしまうと、コミュニケーションが取れません。それを言ったらお終いでしょ、という話になってしまいますが、コミュニケーションが取れない人と話をしていてもらちがあきません。だから、頻繁にホームに行く必要はないということになります。ということは、認知症などを理由にコミュニケーションが取れない親の場合、自分の近くに置く必要はない、という判断があっても不思議ではありません。

 

私が言っている「親を老人ホームに入れる」ということは、「親を捨てる」のと同じです、という話は、実はこの部分のことを言っています。コミュニケーションが取れなくなると、対象者としての必要性は次第に消滅していく、というのが現実的な話なのではないでしょうか? 画像が映らなくなったテレビ、音の出ないラジオは廃棄の対象です。

 

最近の傾向では、まだまだ使えるテレビやラジオも、もっときれいな画像が見られるから、雑音が入らないからという理由で、買い替えが進んでいるといいます。不謹慎を承知の上で、この話を親子の間の話に置き換えるとするなら、「コミュニケーションが取れなくなると、目的が達成できないので、急に不要になってしまう」ということなのかもしれません。

 

このような理由で、多くの子世代は、親の状態に応じて、自分の家の近くで、または親の家の近くで、さらには、経費の安いところで、親の老人ホームを探し始めます。

 

この話は、子世代の話ではなく、夫婦の話です。奥さまが、要介護状態になったご主人を老人ホームに入居させました。ご主人は、脳疾患により、身体機能の一部がマヒをしています。しかし、頭はクリアです。クリアという言い方も介護業界独特の言い方ですが、要は正常な判断や意思表示ができる、ということです。

 

ホームの近くに住む奥さまは、毎日、決まった時間にご主人の様子を見に来ます。傍から見ると、とても献身的にご主人の面倒を見ているように見えます。しかし、この献身的な貢献は、実は、老人ホームの介護職員にとっては、至極迷惑なことになるのですが、それは後に記します。

 

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株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載失敗しない「老人ホーム選び」の鉄則

※本連載は小嶋勝利氏の著書『間違いだらけの老人ホーム選び』(プレジデント社刊)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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