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老人ホーム選びで失敗しない方法はあるか?
■入居相談員やホーム長でホームを選ぶことが重要
老人ホームを探し、そして選ぶという行為には、次のような方法があります。
まずは、インターネットで老人ホームを検索して探す方法です。
もう一つは、実際に老人ホームの入居相談担当者と会って話をしながら、どこのホームが良いのかをすり合わせていく方法です。
最近では、インターネットできっかけを作り、その後、実際に老人ホームの入居担当者と相談をしながら老人ホームを決定していく、というプロセスが多いようです。
ここでは、入居相談員の選び方について話を進めていきます。
まず大前提として、老人ホーム選びを真剣にするためには、一定以上の勉強が必要だということです。今までに何度も、このことについては触れてきています。時間をかけて学習するべきだと言いました。しかし、親を捨てるための老人ホーム選びについて、子世代が老人ホームのことを勉強しようというケースはまれです。
つまり、捨てる場所とはいえ、老人ホーム選びには失敗をしたくない、しかし、勉強もしたくない、という人が取れる最善の方法は、入居相談員を選ぶということなのです。
ちなみに、入居相談員というと、特定の老人ホームに所属している入居相談員と、老人ホームの紹介センターに所属している入居相談員とがいますが、相談員としての役割は同じなので、どちらのケースも同じ入居相談員と整理させていただきます。
具体的な話を進めます。老人ホームの場合、スペックについては、ホームページやパンフレットなどで確認することができます。しかし、老人ホームの場合、そこで提供されている介護支援サービスが重要になっていきます。なお、多くのサービスは、やはりスペックで判断することが可能なのですが、一番重要な「人肌」の介護支援は、どうしても、その支援をする人で判断しなければならなくなります。
しかし、多くのケースでは、具体的な介護支援を提供してくれる介護職員や看護職員などと会って、話をすることはできません。したがって、入居相談員やホーム長などの人となりで判断することが、ホーム選びにとっては重要なことになってくるのです。
入居相談員やホーム長の介護観は何か? 価値観は何か? というところから、自分の価値観と同じかどうかを判断していきます。そして、自分と同じ価値観であれば、その人の言うことを鵜呑みにすればよいのです。なぜなら、相手は、自分と同じ価値観を持った専門家だからです。
究極的な言い方をすると、この価値観や介護観の同じ人がかかわっている老人ホーム、勧めてくれる老人ホームが一番、自分にとって、合っている老人ホームということにしてよいと思います。
ちなみに、この話をすると、老人ホームの紹介センターの入居相談員が勧める老人ホームなど、単に自分自身がもらえる手数料の高いホームではないのか? と考える方も多いと思いますが、これがこの業界の面白いところで、私の主張でもある、介護には「流派」があるということにもつながる話のなのですが、必ずしも経済合理性だけで判断することは少ないと理解して良いと思います。