写真:PIXTA

5月に次期大統領選が行われるフィリピン。海外投資家からも大きな注目を集めています。そのようななか、22年の経済成長率は政府目標には届かないものの上方修正されました。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏がフィリピン経済の今後を分析します。

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2022年「フィリピン経済」力強い成長、再び

4月12日に発表されたASEAN+3マクロ経済研究所(ASEAN+3 Macroeconomic Research Office、通称AMRO) と 国連アジア太平洋経済社会委員会(United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific、通称UN ESCAP)の経済見通しによると、フィリピン経済は今年6%を超える成長に上方修正されました。成長予測が上方修正されましたが、今年の政府の目標である7〜9%をまだ下回っています。

 

AMROは最新の地域経済見通しレポートで、フィリピンの国内総生産(GDP)は今年6.5%拡大すると予測していて、2022年1月の6.2%の予測をわずかに上回っています。

 

一方、UN ESCAPによると、フィリピンのGDPは今年6.3%の成長が見込まれており、以前の推定値である6%よりも少し上回っています。

 

実績ベースでは、2021年にGDPは5.7%拡大しました。2023年のAMROの成長予測は6.5%であり、政府が発表している6〜7%の目標値とほぼ一致しています。

 

「今年は成長率が6.5%に改善されると予想しています。これは政府支出と民間部門の支出の回復によってもたらされるでしょう」とAMROチーフエコノミストは述べました。「経済が完全に再開すれば、民間支出は非常に急速に回復すると予想しています。」とも述べています。

 

一方、フィリピンの経済回復に対する最大の脅威は、コロナウイルス感染の再発の可能性であるとも述べています。専門家は最近、ブースターショットを受けていない多くのフィリピン人の「免疫力の低下」を理由に、5月の大統領選挙後の感染者数の急増について警告しています。

 

また、銀行セクターへのリスクとして企業の負債支払能力を挙げ、世界的な金融引き締めによる資本フローのボラティリティの高まりを挙げました。

 

それにもかかわらず、フィリピンの成長率は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の今年の平均成長率5.1%、2023年の5.2%よりも高いと予想しています。ASEANでは、フィリピンはベトナムと並んで最も高いGDP成長を記録する可能性があるのです。

 

ワクチンに耐性のあるCOVIDのより毒性の高い変異体が出現しない限り、経済は非常にオープンな状態が続き、今年は非常に強力に回復すると予想されています。

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
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