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インフレはフィリピン経済にマイナス要因だが…
フィリピンのインフレ率は2月の3%から3月は4%に上昇し、フィリピン中央銀行・Bangko Sentral ng Pilipinas(BSP)の予想値3.7%を上回りました。現在、3.3〜4.1%という中央銀行の予想レンジの上限にあります。この上昇は、ロシア・ウクライナの地政学的緊張が主な原因です。ウクライナ問題は原油や商品価格を高騰させました。これにより、年初来の平均インフレ率は3.4%となっています。
BSPは、2022年通年のインフレターゲットを2~4%においています。インフレ率の上昇は、フィリピン株全般にとっては、マイナス要因です。個人消費を抑制し、利益率を圧迫する可能性があるからです。このため株式投資においては、短期的なインフレの逆風に強い企業や業種を中心に銘柄を選ぶべきです。
銀行セクターがその一つです。インフレ圧力は引き続き中央銀行に基準金利の引き上げを迫るものと思われます。三菱UFJグループによると、中央銀行が2022年下期までに基準金利を50bpsから75bps引き上げることを予想しています。
次回の金利決定会合は、2022年5月と8月に開催されます。ベンチマーク金利の上昇は、持続的なローン需要と相まって、銀行業界にとって好材料となるはず。
上位3行の経営陣によれば、25bpsの金利引き上げは利益率の上昇につながり、MBT(+10-15bps)、BDO(+6-7bps)、BPI(+10bps)のマージン向上となるとのことです。今後、利上げが予想されるため、銀行株の仕込みには良い時期かもしれません。
その他のインフレに強いセクターとしては、電力や公益事業が挙げられます。コストの上昇は避けられませんが、一貫した需要が続くと予想されるからです。
一方消費者関連株は短期的にインフレの逆風にさらされる可能性がありますが、株価調整局面では回復力のある銘柄を買う好機となる可能性があります。
銘柄は、RRHI、PGOLD、URCあたりです。RRHIの高級スーパーRustansや、PGOLDのS&R部門は、さほど値上げに敏感でない顧客層を拡大し続けていると言われています。
総合食品メーカーのURCの場合、インフレは短期的には収益の圧迫要因となりますが、長期的にはURCは引き続き堅調に推移すると見られています。