【関連記事】「灘中の落ちこぼれ」が「東大医学部」に大逆転合格した勉強法
能力にあった目標設定と実行する努力が大切
■努力をしないで勝った人はいない
あるボクシング漫画で、印象に残っているセリフに「努力した者がすべて報われるとは限らん! しかし成功した者は皆すべからく努力しておる!」というのがあります。それでは、「努力したら勝てるのか」ということではなく、勝った人は必ず努力をしている。つまり、努力をしないで勝った人はいないということです。私も確かにそうだと思います。
「努力したから結果はこの程度でもいい」ということもないですし、努力しないで結果が出るような目標設定はダメだと思います。
少し挑戦しただけでうまくいかないから、「あー、もうダメだ」とあきらめてしまうのももったいない。
やはり自分の能力に見合った目標設定と、それに対する努力が大事だということです。「ここだ」と定めるのは難しいですが、その時その時で判断していくしかありません。
実は、私の長男は現役で複数の大学に合格しましたが、どの大学にも行かせませんでした。つまり、浪人させたのです。長男には「その程度の努力で入れるような学校に行ってはダメだ」と伝えました。今までやった努力で受かる大学でいいのか、ということです。
浪人してどうなるかは本人の問題です。「あの大学に行きたい」というエネルギーが強ければ入れるのかもしれない、と私は思います。結局、長男は浪人した末に、第1希望の大学に無事合格することができました。
人が一定の成果を出せるのは、本人の意志で動く時だけです。ですから、人に言われてやっているうちは、あまり成果は期待できません。自分がやるべきことを見つけてきて、それに応じて、その目標設定をして、自分で計画を立ててやる。そのサイクルが大事だと思います。
■「続けること」が価値を生む
人間と動物の違いは、10年後のことを考えられるかどうかだけ、という話があります。つまり、動物は未来のことはわからない。今おなかが空いているから、とりあえずシマウマを食べたい、ということなのでしょう。人間も、「おなかが空いた、今日は何食べようか」と思いますから、似ている部分はあると思います。
しかし、同じ食べるにしても、人間はもう少し高いレベルの食べ方ができます。たとえば、「体重を何キロにしたい」という時に、「じゃあ、一時期、炭水化物をやめておこう」と考えることができますよね。
そういう何らかの目標設定をしたがために、今の食事を変えることができるのは、人間だからこそなのです。
それは食事に限らず、時間の使い方など、日々の生活においても当てはまります。すなわち、未来のことを考えないと、今が変わらないわけです。そして、今が変わるから未来も変わっていくのです。
したがって、未来に「こうしたいな」という希望があることは、すごく重要なのだと思います。
未来といっても「20年後、何したい?」と言われても、それはちょっと先すぎるので、遠い未来ではなく、先ほどお伝えしたように、1年後、3年後、6年後くらいがいいでしょう。
そのぐらいのスパンで、自分で目標設定をして、それに対して行動できるということが、おそらく人間が持っている素晴らしさなのではないでしょうか。
ただ、そうした目標に向かってばかりでは大変なので、目標を立てずにその場でやりたいことをやったり、「今日はいいか」と肩の力を抜いたりすることも必要です。バランスを取りながらやっていくとよいでしょう。
そうする中で大切なのが「続けること」です。