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親がすべきことは「環境」づくり
親がやってはいけないのは「子どもにあれこれと干渉すること」だということは、ご理解いただけたと思います。ここからは、親として「やるべきこと」についてまとめていきたいと思います。
■「やり抜く力」をつけさせる
親がすべきこととしてまず挙げたいのは、子どもに「やり抜く力」をつけさせる、ということです。これは「我慢」させることにも通じます。
物事に我慢強く、粘り強く取り組むことは、大人でもなかなかできないと思いますが、その結果何ごとかを成し遂げられれば達成感が得られます。それは本人にとってうれしいのはもちろん、自信にもつながり、次のチャレンジにも前向きになれます。
いわゆる「成功体験」を重ねていくことができるのです。このサイクルが、子どもを伸ばす秘訣だと思いますし、子どもにそうさせるように仕向ける技術が親には必要です。ここでまた、わが家の事例を紹介したいと思います。
わが家では、私と子どもたちとで、皇居周辺のランニングを続けています。
週に1回、皇居の周囲、約5キロを走るのです。普通、「5キロ走ろう」と言われれば、多くの人は「ええ?」と、尻込みしてしまうのではないでしょうか。
しかし、うちの子たちは、小さい頃から週1回、5キロを走っているので、耐性がついています。「10キロ走れ」と言っても、慣れているので、「いいよ」と軽く言います。
こうして基準を上げていくということは、親の努力として大事だろうと思っています。
「基準を上げていく」というのは、その子の力を引き上げていくということです。そのためには小さな成功体験を積ませていくことが大切ですが、その前提として、ある一つのこと(基準)を「やり抜く」ことが必要になります。一つのことをやり抜くことができなければ、次のレベルには進めないからです。
一つひとつをやり抜くにあたって、禁物なのは「無理」という言葉です。
たとえば先に挙げたランニングでも、「5キロ走ろう」と言った時、「無理」と言う子がほとんどでしょう。前述の通りうちの子たちは走りますが、もし「無理」などと言ったら、私は「無理とは言うな」と叱りつけます。
この「無理とは言うな」ということが、私が子どもたちに言い続けていることの一つです。
「無理」ではなく「難しい」ならオーケーです。
なぜ「無理」はダメで「難しい」ならオーケーなのか。これには、私が師と仰ぐ方から「簡単なことはすぐできる。難しいことは時間がかかる」と言われたことが背景にあります。
「簡単なこと」は文字通り簡単に、すぐにできますが、「難しいこと」はすぐにはできず、時間がかかります。時間がかかりますが、逆にいえば、「時間をかければできる」わけです。
「時間をかければできる」ことなのに、「無理」と言ってしまえば、それは「できない」ことになってしまいます。