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3月から足元までの日経平均株価は目まぐるしい動きに
新年度以降の日本株(日経平均株価)の投資戦略を考えるうえで、まずは3月から足元までの動きを簡単に振り返りたい。
3月~足元(4月8日の取材時点)までの日経平均株価は、目まぐるしい値動きとなった。
ウクライナ情勢の緊迫化やFRBによるオーバーキルリスク(金融引き締めにより景気を過度に冷やす懸念)が市場の不透明感を強め、3月9日には一時2万4,681.74円の年初来安値を更新した。
また世界経済にピークアウト感がみられるなか、インフレ圧力が強まる(コモディティ価格の上昇等)ことで先行きの「スタグフレーション(経済活動の停滞と物価上昇の併存)」リスクも意識された。
その後は3月中旬開催のFOMCやロシアのデフォルト回避などを機に日本株のバリュエーション面での割安感を意識した買いやショートの買い戻しを伴いながら急反発に転じた。3月の配当取りや配当落ちに伴う再投資への期待から3月14日以降9連騰を記録し3月25日に2万8,338.81円まで急回復した。
その後は配当落ちや急ピッチの上昇に対する利益確定の売り圧力に押されたことに加え、FRB高官(※1)によるタカ派発言等を受けグロース株中心に調整し、4月8日時点(取材時点)では2万7,000円を割り込んで推移している。
(※1)参考:ブレイナード理事の発言について
4月5日、FRBのブレイナード理事はミネアポリス連銀のイベントにオンラインで出席し、QT(量的引き締め)について「5月にも急ピッチで始める」と発言した。
ロシアのウクライナ侵攻が食品や原油の価格を一段と上昇させるリスクにもコメントしたうえで、低所得層の生活に打撃を与えるインフレの抑制を急ぐ姿勢を強調した。
ブレイナード理事はもともと金融引き締めに慎重なハト派の代表的な存在であることはマーケット関係者にはよく知れ渡っていたが、足元ではタカ派的な発言を繰り返す姿勢がみられる。
インフレに関しては、賃金の上昇が物価の上昇に追いついておらず、家計の購買力が低下していると述べ、特に食品や住宅への支出割合が大きい低所得層への影響が大きいとの分析結果を提示している。
こうしたブレイナード理事のタカ派的な姿勢等を受け、5日の米10年債利回りは年初来高値を更新した。
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