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特定の食材を食べた後、しばらくして体調を崩すケース
特定の食材を食べた後、体調が悪くなる人がいます。じんましんが出たり全身がかゆくなったりする、いわゆる「アレルギー症状」ではないので、食材が原因であることが気づきにくいです。食材を摂ってしばらくしてから身体がだるくなったり、頭痛や下痢、腹痛などの症状が起こったりします。この場合、即時型のアレルギーと区別して、「遅延型食物アレルギー」や「隠れ食物アレルギー」という言葉が使われ、最近では認知度も上がってきました。
実際には身体の中では何が起こっているのでしょうか? 今回は、病態が比較的詳しく分かっている小麦を例に挙げて、食物が私たちの腸管あるいは身体にどのような作用を及ぼすのかについて考えてみましょう。
■グルテンで体調が悪くなるさまざまな病態、「グルテン関連障害」について
小麦やグルテンで体調が悪くなる人がいます。その原因としていくつかの疾患があり、総称して「グルテン関連障害」と言われます。この関連障害に特徴的なのは、どのタイプの疾患でも、小麦を摂ると症状が起こり、やめると症状がピタッとなくなったり、軽快したりするという点です。それで治ったのかと思い、また食べ始めると症状が再発します。
まずは、グルテン関連障害の中でも代表的な、「セリアック病」とはどういう病気なのか見ていくことにしましょう。