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成功パターンから新しい成功を導く
SWOT分析で出てくる戦略代替案は、各要素を組み合わせただけのシンプルなものが多いので、いわば単発の戦略となります。
例えば、コスト競争力を生かして新興市場を開拓するといっても、現地でマーケティングがうまくいくかどうかは分りません。
ですから、次々と連鎖的に打ち手が打てるような「成功パターン」を持てていた方が良いことになります。
戦国武将の毛利元就は、もともとは国人領主といって、一つの村の地頭のような小さな領主でしたが、孫子の兵法の「戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」を地で行って、「謀(はかりごと)を駆使する」ことによって、後に大大名となりました。
また、セブン・イレブンは、「ドミナント出店」という出店パターンで、コンビニ日本一の地位を築いてきました。
これらはいずれも、成功パターンの例です。繰り返し実施できることで、その効果がより大きくなります。
成功パターンの記入例は下図に示しますが、まず事業ごとにこれまでの成功パターンを振り返ってみます。過去何十年かにわたって事業を続けられてきたのであれば、何がしかの成功パターンがあったはずです。
それらを振り返ってみることで、自事業の成功パターンが見えてきます。もしその当時の人が現在社内にいないのであれば、OBの方に話を聞いてもいいかもしれません。
おそらく喜んで協力してくれることでしょう。
成功パターンの書き方は、矢印→マークと、プラス+マークで表現します。→は、時系列の順番を指し、+マークは、同時期の要素の組み合わせを指します。そうすることで、どのようなパターンも記述することができます。過去の成功パターンが複数ある場合は、複数書いてもらって構いません。
事業別にこれまでの成功パターンが描けたら、次は会社・法人としての成功パターンです。A事業を成功させた上で、その延長上にB事業始めた等、複数事業がある場合にはその組み合わせ方などに成功の秘訣がある場合もあります。→印と+マークの組み合わせが長いほど他社が真似しにくくなります。
これまでの成功パターンが描けたら、次に今後の成功パターンを描きます。その際に、SWOT分析で出てきた新しい戦略代替案の要素を盛り込めると、SWOT分析と成功パターン分析を融合させることができます。
成功パターンも事業別に複数描いてもいいですし、事業間をまたがる会社全体としての新しい成功パターンを描いてもいいでしょう。
SWOT分析と成功パターンを組み合わせ、新しい成功パターンを描く