(※画像はイメージです/PIXTA)

コロナ禍によりテレワークを導入する企業が増えています。社員がさぼっているのでは?と一日中ビデオで監視するパワハラ上司も多いといいます。いくら仕事とはいえ、1日中監視されるのは相当なストレスです。どう対応すればいいのでしょうか。産業医の井上智介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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「ネガティブ・バイアス」が監視に拍車をかける

■リモートワークで監視される

 

ここ最近は少しずつ落ち着いてきましたが、未だにこのようなことをしてしまう上司は後を絶ちません。

 

中には、1日中みんなでZOOMにつなぎっぱなしという方も……。

 

いくら仕事とはいえ、1日中監視されるのは相当なストレスですよね。

 

このような行動をとってしまう原因は、「ネガティブ・バイアス」にあります。

 

私たちの認知機能には、ポジティブな情報よりも、ネガティブな情報に注意を向けやすく、記憶に残りやすいという傾向があります。これをネガティブ・バイアスといいます。

 

リモートワークなど相手の姿が見えない状況では、ついついこのネガティブ・バイアスが働きやすくなるのです。

 

「そういえば、あいつは午後居眠りしていたことがあったな」

 

「休憩時間はゲームやってるって言ってたけど、誰も見てないからって仕事中に遊んでいるんじゃないか?」

 

このように考え出すと、なかなか止められません。勝手な妄想ばかりが膨らんで、勤務時間中はZOOMをつなごうなどという考えに至ってしまうのです。

 

こうしたお悩みの解決策として、私は日報の活用をおすすめしています。

 

業務の状況や成果を見える形にして示すことで、上司の不安を解消するのです。まずは前日のうち、もしくは朝一番にその日の予定を報告し、業務終了時にはその日の業務内容を日報にまとめて提出しましょう。

 

何時にどこに何をしに行くか、時間がかかる業務の場合は、進捗状況や今後の進め方も書いておくといいでしょう。

 

9時〜10時 注文処理(15件/30件)
10時〜12時 移動・訪問営業(訪問先:A社)

 

メールチェックの詳細といったことまで書く必要はありませんが、あなたが何をしているか、適切な時間で業務を処理できているか、どのような成果があったかを上司が把握できるように記載することで、上司は確実に安心します。

 

翌日のスケジュールを日報に書いておくと、1度の手間で済みますよ。

 

このような日報を提出することを提案をしたうえで、ZOOMにつなぐのは朝礼と夕礼だけにする、もしくはミーティング以外はZOOMをつながないという交渉してみてはいかがでしょうか。

 

まずは日報を提出し、上司が安心してきたのを確認して交渉するのもいいですね。これまで多くの方にこの方法をおすすめしてきましたが、上司の監視から逃れられるだけでなく、自分自身にもプラスになったという声をたくさんいただきました。

 

毎日予定を立てることで自然と計画通りに進めようという心理が働き、結果的に効率よく集中して仕事ができるようになった、ということです。

 

相乗効果が得られるのは嬉しいことですね。

 

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※本連載は井上基介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

井上 智介

日本能率協会マネジメントセンター

「仕事の悩みは人間関係が8割」だといいます。 職場ではさまざまな人と関わる必要があり、仕事の関係上、自分が人間関係を選ぶことも難しい。自分に都合の悪いことは無視する上司、融通がきかない部下、承認欲求が強く、自己…

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