今や「小学校低学年からの塾通い」は当然!?
保護者の教育への関心の高まりにより、小学生からの塾通いも増加しています。
ベネッセ教育総合研究所「学校外教育活動に関する調査2017」によると、小学校低学年でも26~27%、4人に1人以上が何かしらの「塾(学校外教育活動)」に通っています。学年が上がるにつれて通塾率は高くなり、小学校高学年になると40%以上に上ります(図表2)。
興味深いことに、この調査では子どもが通う「学習塾のタイプ」も詳細に調べています(図表3)。塾のタイプ分類は、先取り教育や受験指導を中心とする進学塾、学校の授業理解や成績向上のための補習塾、計算や読み・書きなどの基礎学力をつけるプリント教室、英会話・英語教室、その他、の5つです。
これをみると小学校低学年では進学塾に通う子はまだ少なく、多くの子どもがプリント教室や英会話・英語教室に通っていることが分かります。
確かに当塾の生徒にも、小学校からそうした塾や教室に通っていた子は少なくありません。今の小学校では、3年生から外国語活動、5年生から教科としての外国語教育が始まります。幼い頃から英語に親しませ、学校でも有利になるようにと考える保護者が多いのかもしれません。計算力や読み・書きにしても、コツコツと訓練をして学習の基礎を身につけさせようという目的自体は間違っていないと思います。
ただし子どもの学習は、年齢の発達に応じて進めていくものです。子どもの発達や本質的な理解を無視して、解答テクニックだけを叩き込むような教育は、あとあとになって弊害が出てくることがあるので注意しなければいけません。
そして、小学校高学年からグンと増えてくるのが、中学受験のための進学塾です。中学受験に向けた進学塾の指導は、小4頃から本格的になるためです。
中学校に入ると進学塾とともに、補習塾に通う子も増えてきます。中学校の成績は高校受験の選抜の対象になります。成績上位の生徒たちは受験のために進学塾に通い、中間層やそれ以外の生徒たちは、学校の指導で分からないところを補い成績を上げるために補習塾に通う、ということでしょう。全体を合計すると、中2で約51%、中3で58%の生徒が塾に通っています(高校生で通塾率が下がるのは、高校受験を一つのゴールととらえている生徒、保護者が少なくないからだと思われます)。
現代日本の親子にとって、塾は「放課後のもう一つの学校」といってもいいほど身近で、また必要不可欠な存在になっていることが伺えます。