(※写真はイメージです/PIXTA)

「税理士は税務全般に詳しいはず」「税金のことは顧問税理士に任せておけば大丈夫だろう」と思い込んではいけません。「税務」と言っても幅広く、日々の会計処理が得意な人、相続税の処理が得意な人、節税対策が得意な人、そして、資金繰りが得意な人など、強みもそれぞれ異なります。「いい税理士」を見つけるには、どんな目的で、何がしたいかを踏まえたうえで、そのニーズを満たせる人を探すことが重要です。ここでは「資金繰り改善」の観点から「いい税理士」について考えていきましょう。菅原由一氏が税理士の目線から解説します。

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    「認定者リスト」から申請件数・採択率を確認

    では、補助金に強い税理士はどうやって見つければ良いのだろうか。ポイントは2つある。

     

    まずは、補助金の活用を提案してくる税理士。

     

    提案するということは自信があるということ。提案できるくらいのノウハウや実績があるため、このタイプであれば補助金採択の可能性は期待できる。腕前の細かなところまでは分からない。ただ、経営者としては話を聞いてみる価値はあるだろう。提案が来なければ、ウェブで検索して、補助金採択の支援を強みに掲げている税理士を見つける。近くにいるから、すぐに相談できるから、という理由で相談するのはやめよう。重要なのは、自信の裏付けとなるノウハウや実績だ。

     

    実績は、資金繰りに強い税理士を見つける2つ目のポイント。過去にどれくらい補助金申請を支援したことがあるか、そして、そのうちの何件、補助金採択に結びつけたかを比べることで、補助金採択の可能性は高くなる。

     

    実績は簡単に調べられる。

     

    中小企業庁に、認定支援機関という機関がある。正式名称では「中小企業経営力強化支援法に基づき認定された経営革新等支援機関」というもので、要するに、中小企業経営の相談先として、専門的知識や実務経験が一定レベル以上ある人を中小企業庁が認定するものだ。認定対象となるのは、税理士を含む士業や金融機関など。認定を受けたい人は申請し、認定されると認定支援機関の認定者リストに載る。税理士はほとんど認定を受けていると思う。

     

    この認定者のリストは個人でも閲覧可能。リストは都道府県別で、もちろん私も載っている。しかも、認定されているかが分かるだけでなく、補助金などの支援実績の件数も見られる。いつ、どの補助金に申請したかが分かり、その結果として、採択を受けた(または受けられなかった)かも分かる。このリストを踏まえることで、補助金申請を依頼する税理士の実力が見える。

     

    私の例でいうと、平成29年、平成30年に「ものづくり補助金」を10件扱った。補助金の全国の採択率は3割くらいで、私の実績は7割だった。同じ補助金でほかの税理士事務所などを見ると、採択率50%の人もいるし、採択件数0件の人もいる。全国的に名が知られ、テレビやウェブでたくさん宣伝している事務所でも実績が良くないこともあるし、補助金獲得をテーマとした本も出している人が、平均より実績が少ないこともある。

     

    知名度や認知度で選ぶ経営者もいると思うが、実績とリンクするとは限らない。広告を出し、「補助金申請の支援をします」と提案をする税理士でも実績が高くないことがあるので、依頼時には実績をきちんと確認することが大事。

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    ※本連載は、菅原由一氏の著書『激レア 資金繰りテクニック50』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    激レア 資金繰りテクニック50

    激レア 資金繰りテクニック50

    菅原 由一

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