(※写真はイメージです/PIXTA)

郊外に出張や旅行に出たとき、よく見かける大規模な太陽光発電設備。コロナ禍でも安定収入を確保できると言われますが、売電収入の構造はどうなっているのでしょうか? また、今後も継続的な収入源として活用できるのでしょうか。1級FP技能士・笹田潔氏が解説します。

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「太陽光発電」は採算が取れるのか?売電収入の構造

高速道路を走っていると、よく見かける大型の太陽光発電設備…。日本もいよいよグリーンエネルギーに向かっていると考えさせられるようになりました。

 

よく見かけるようになったのは、再生可能エネルギー固定価格買取制度が「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づき、平成24年7月1日からスタートしたことで、民間企業や個人事業主が太陽光発電設備を建設し発電事業に参入しやすくなったためです。

 

しかし、太陽光発電所(太陽光発電設備により売電している事業所)って今も建ち続けているけど、採算が合っているのか、ちゃんと管理されているのか少し疑問です。

 

発電事業者が太陽光発電所から得られる売電価格は、図表1のように定められています。

 

[図表1]売電価格

 

太陽光発電による売電価格は毎年下がり続け、2022年度(令和4年度)では10kW未満17円、10kW以上50kW未満11円、50kW以上250kW未満10円と、下限値に近づいています(図表2参照。下限値とは、一般家庭で支払っているkWあたりの電気料金相当額のことです)。

 

[図表2]売電価格の推移

 

この太陽光発電所の収入はどのように計算されるのでしょうか? 非常に簡単な計算式(固定価格買取制度で決められた売電価格に発電量〔kW〕を乗じただけ)で、売電開始から20年間収入が約束されます。

 

しかしながら、以下のランニングコストも考えなければなりません。

 

<太陽光発電所の運営にかかる費用>

①メンテナンス費用

②固定資産税(償却資産税)

③損害保険料

④減価償却費

⑤ローン利息(購入時に借入をしている場合)

⑥土地の賃貸料金(土地所有でなく賃貸の場合)

⑦周辺機器の修繕費用

⑧その他(草刈りや、各種報告にかかる費用)

 

当然、収入も毎年の日照量により上下します。太陽光発電所の収入は売電価格に応じた収入から、毎年運営にかかる費用を差し引いたうえで、イニシャルで投資した金額が何年で回収できるのか検証していかなければいけない事業なのです。

 

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