老後は「2000万円どころか、800万円くらいあればいい」と言える納得の理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

人生100年時代。NPO法人「老いの工学研究所」理事長の川口雅裕氏は、書籍『年寄りは集まって住め』のなかで、「老後2000万円」について解説しています。

 10月14日(金)開催 
【経営者・高所得サラリーマン必見】
「年内償却」を活用した所得税対策とは?

~まだ間に合う!「富裕層を熟知した税理士」が教える
年収1,000万円以上の人が実践しているテクニック~

詳細はコチラ>>

「老後2000万円」は本当か?

2019年、「老後2000万円問題」が話題になりました。

 

総務省の「家計調査」(2017年)によると、無職の「高齢夫婦のみ」の世帯では、毎月約5万5千円を取り崩して生活している。赤字は年間66万円になります。

 

仮にあと30年生きるとすれば、66万円×30年で約2000万円が必要になるという非常に単純な計算です。

 

同じ調査では、高齢者世帯で貯蓄がある人の中央値は1639万円となっていますから、半数の人は約25年(1639万円÷66万円)で、老後資金が尽きてしまうことになります。

 

ただ、ことはそう単純ではありません。これとはまったく異なる結果を導いている興味深い論文があるからです。

 

京都大学経済研究所の中澤正彦氏、財務総合政策研究所の菊田和晃氏、米田泰隆氏の研究「高齢者の貯蓄と資産の実態:『全国消費実態調査』の個票による分析」(2015年)です。

 

この論文によれば、無職の高齢夫婦世帯の取り崩し額は約1万円に過ぎません。老後2000万円問題の根拠となっている毎月の取り崩し額(約5万5千円)とは、5倍以上の大きな差があります。

 

なぜ、こんなに大きな差が生まれるのでしょうか。

 

この論文が指摘しているのは、総務省の「家計調査」において、かなりの割合で「年金収入の記入漏れ、記入忘れ」があるという点です。

 

実際には、95%を超える高齢者が年金を受給しているのに、「家計調査」で年金の受給額を記入しているのは約75%しかいなかった。つまり、約20%の人が年金収入があるのにもかかわらず「無収入世帯」とカウントされているのです。

 

したがって、収入が実態よりも過少に算出されてしまうというわけです。

 

この研究ではこの点を踏まえて、「家計調査」ではなく「全国消費実態調査」のデータを用い、消費支出などに様々な調整を加え、また、就業の有無や夫婦・単身の別も明確にして調査を行っています。その結果は[図表1]の通りです。

 

[図表1]

 

これを見れば、就業していない世帯全体で、毎月の取り崩し額は1万3700円です。年間では約16万5000円、余命が30年間とすれば約500万円が必要となります。

あなたにオススメのセミナー

    日本には1億2000万の「LIFE」がある――。幻冬舎ゴールドライフオンラインは、その一つひとつのLIFEに光を当てる、市井(しせい)の人々が主役のWEBメディアです。
    掲載ジャンルは、論説、小説、仕事、お金、文化、食、エッセイ、健康など。毎日15本以上の記事をお届けしています。

    著者紹介

    連載幻冬舎ゴールドライフオンライン人気記事

    本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『年寄りは集まって住め』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

    メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

    登録していただいた方の中から
    毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
    会員向けセミナーの一覧
    TOPへ