(※写真はイメージです/PIXTA)

郊外に出張や旅行に出たとき、よく見かける大規模な太陽光発電設備。コロナ禍でも安定収入を確保できると言われますが、売電収入の構造はどうなっているのでしょうか? また、今後も継続的な収入源として活用できるのでしょうか。1級FP技能士・笹田潔氏が解説します。

まとめ

新型コロナウィルスによる経済活動縮小に関わらず、太陽光発電所を早期に保有した投資家は、その売電収入により一見、安定収益が得られる事業を手にしているように見えます。

 

ただ、発電事業を継続していくためには、決められたルールに則って手続きが必要です。軽微と思える変更であっても、太陽光発電設備が置かれている土地所有者の全員の承諾書が必要となったり、複数の土地保有者と共有されている場合など、発電事業を継続するために膨大な公的書類を用意するケースもあるのです。

 

最も複雑なのは、2021年4月1日付改訂として再生可能エネルギー推進室が発信している「再生可能エネルギー発電事業計画における再生可能エネルギー発電設備の設置場所について」という文書で、「10kW以上50kW未満の低圧太陽光発電設備については、大規模設備を意図的に小規模設備に分割している事例が多く存在していることから、このような案件と判断した場合は、登記簿上の地権者の確認を原則2014年度まで遡って確認を行い、地権者が同じ場合には分割と判断する。」(※3)と規定されたことです。

 

これにより、2014年度以降の売電価格の高い太陽光発電所に認定取り消しなどの事案が出てきていることは、変更申請をして初めて発覚することなのです。

 

太陽光発電所を保有している事業者は、異常気象がなければ安定した売電収入が得られると高を括るのではなく、その権利関係や定期報告など見直してみることをおすすめします。

 

※3 資源エネルギー庁「再生可能エネルギー発電事業計画における再生可能エネルギー発電設備の設置場所について」

https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/fit_2017/legal/nintei_seti.pdf

 

 

笹田 潔

1級FP技能士

宅地建物取引主任士

 

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