想定売上「月86万円」程度だが…儲かるのか?
コインランドリー店舗経営を実際に考えてみて、不動産投資のように不労所得が得られるビジネスなのかを検証してみましょう。
まずは、利用する機械の種類です。
●洗濯乾燥機(大型・中型)
●乾燥機(2段式・大型)
●洗濯機(ドラム式・タンク式)
●スニーカーウォッシャー
これらの機械の利用料金や稼働回数などから想定月間売上を考えてみると、月売上は約86万円(年間約1,000万円)であることが分かります(図表2)。
次にコインランドリー初期投資額ですが、上記売上の機械台数を設置した場合のざっくりとした施工費用と諸経費を見てみましょう。
<初期投資費用>
●工事費用1,000万円
●ランドリー付帯工事200万円
●ランドリー機器代1,700万円
●店舗備品350万円
●初期設定費用450万円
⇒合計3,700万円
※あくまで参考数値ですので、正確な数値を確認する際はコインランドリー業者から見積もりをお取り寄せください。
また、コインランドリーの運営には、以下のランニングコストも掛かります。
<ランニングコスト(毎月)の種目>
●機械運営費(水道光熱費・洗剤・柔和剤)
●オペレーティング費用(清掃・両替・防犯カメラ・コールセンター)
●賃料(家賃)
●保険料
●償却資産税
金額にすると以下のようなイメージです。
<ランニングコスト(毎月)の金額>
●機械運営費24万円(売上×30%)
●オペレーティング費用15万円
●賃料(家賃)30万円
●保険料1万円
●償却資産税1万円
⇒合計71万円
月売上約86万円と月経費約71万円を差引すると、粗利約15万円(年間180万円)のキャッシュフロービジネスです。
初期投資費用3,700万円を、投資回収年数20.5年間をかけて回収するようなイメージになってしまいます。
キャッシュフロー以外にもイニシャルの投資費用を金融機関から借入れているのであれば借入利息、チェーン店の看板をかけるのであればロイヤリティー、メンテナンスに関しても機械補修費や、売上から生じる税金以外にもランドリー機器に関する償却資産税、直接的なキャッシュアウトには繋がらない減価償却費などを考慮して、利益が出るように運営していかなければなりません。
■コインランドリー店舗経営で想定されるリスク
お金の収支のことだけでなく、万が一に備えたリスクも考える必要があります。
●火災や盗難
●店舗内における転倒、イタズラ
●ランドリー機器の利用法に対するクレーム など
各々リスクに対して損害保険や24時間コールセンター受付などの対応策はありますが、ともに費用は掛かります。