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いい学校、いい会社がゴールではない
■3児の父としてわが子に伝えたいこと
今、日本も世界も激動の時代のさなかにあります。2020年以降、新型コロナウイルスの影響でどの国も鎖国に近い状態が続きましたが、落ち着きを取り戻す頃には、以前と同じグローバル化の波がこれまで以上に強くやってくることになると思います。日本一国だけですべてを完結させることはできないというのは、皆さんも実感されていることと思います。
そして、これからの未来も、何が起こるかわかりません。そのような予測不可能な時代を生きるにあたって、今、子どもたちに身につけさせておくべき力は何か。
子育て中である私自身も、子どもたちの将来について、日々、思いを巡らせています。かつて自分が子どもだった頃は、いい成績を取って、いい大学へ進学して、いい会社に就職することが“いいこと”“幸せなこと”だとされていました。しかし現在では、そうした考えは根底から揺らいでいます。
そうした中、親ができるのは、目先の第1志望合格……“いい学校”や“いい会社”をゴールに頑張らせることではなく、どうなるかわからない世の中を生きるにあたって、“自分の力で生きていける力”を、身につけさせることではないでしょうか。
高校生くらいまでは、親がある程度レールを敷いて、その先は自分で道を探していく。人に言われてやるのではなく、「自分が本当は何をやるべきか」がわかっていて、それに応じて目標を設定して、「自分で計画を立てて実行する」……それが一番大事ではないかと思います。
そして、「社会の役に立ち、社会に貢献できる人」となってくれれば、親としてこれほどうれしいことはないでしょう。
では、そのためには、具体的にどうしたらよいのでしょうか。もちろん、幼少期からの「家庭での教育」がカギとなるのはいうまでもありません。ただ、私は幼児教育の専門家ではありません。
そんな私ではありますが、矯正歯科医として中高生やその保護者と接する機会が多くあり、かつ予備校講師を務めた経験、そして3人の子を育てている実体験から、「中高時代にこそ大切なこと」が、ぼんやりと見えてくるようになりました。
一つは「英語を身につけること」です。2020年度から小学校の英語授業が公立でも3年生から必修に、そして5年生になると教科になることからも、今後はますます重要性を増すことになるのはおわかりでしょう。
そして、欧米人とコミュニケーションを取るのであれば、歯並びは治しておいたほうがよいでしょう。これが、私が考える「中高時代にこそ大切なこと」の二つめ、「歯を矯正すること」です。
先にお伝えしたように、私は「患者さんの喜ぶ顔」が見たくて矯正歯科医になりました。確かに歯並びが美しくなることで、患者さんは笑顔になりますが、それだけでなく、矯正というのは、欧米人とのコミュニケーションを取る際にも、大いにプラスになるということを実感するようになりました。
留学を控えた中高生の来院はもちろん、留学を終えた子どもたちの言葉から、それは伝わってきました。欧米では「見た目が整っているかどうか」が、特に意識されるのです。
したがって、英語を勉強するということと、歯の矯正をすることは、どちらも同じくらい大切で、セットで考える必要があると私は思っています。どちらもグローバル化していく社会で将来活躍する子どもにとって、絶対といえるほど必要なことなのです。