東京・新宿で長年愛されてきたル「ハイアットリージェンシー東京」を保有する小田急電鉄が、売却する方向で検討していると話題になっています。同社は「当社が発表したものではなく、現時点で決定した事実もありません」との声明を発表しましたが、新型コロナウイルスの影響が大きい同ホテルの売却は避けられないとみられています。一方、すでに多くのファンドが関心を示しているという報道も。このコロナ禍、なぜ投資家はホテルに注目するのか。みていきましょう。

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小田急電鉄…新宿・西口開発に集中か?

 

2月末、小田急電鉄が東京・西新宿のホテル「ハイアットリージェンシー東京」の売却を検討しているとニュースになりました。その前には、西武ホールディングスがホテルやスキー場の売却を決めていただけに、「またか」という印象を受けた人も多いでしょう。

 

「ハイアットリージェンシー東京」は、旧淀橋浄水場跡地に造られた新宿副都心に位置するラグジュアリーホテル。1980年に小田急電鉄と第一生命保険が共同で購入した敷地に、小田急電鉄が小田急センチュリービル、第一生命が新宿第一生命ビルディング(現、小田急第一生命ビルディング)をそれぞれ建設し、小田急側のビルに1980年、日本初のハイアットブランドのホテル「ホテルセンチュリーハイアット」として開業しました。その後、2001年に「センチュリーハイアット東京」、2007年に「ハイアット リージェンシー 東京」と改称しました。

 

その特徴はエントランスを入ったアトリウムに輝く、クリスタル製の3基のシャンデリア。1基5,000万円といわれ、当ホテルのシンボルとして親しまれてきました。

 

今回、小田急電鉄は隣接するオフィスビルの持ち分も売却する方針とされ、売却額はおおよそ1,000億円規模になると言われています。ちなみにオフィスビルのうち、第一生命保険が保有する部分は今回の売却対象にはならないそう。現在、複数のファンドが関心を示しており、数ヵ月かけて売却先を選定するといいます。

 

小田急電鉄は新宿西口地区の再開発を進めているところ。先月には、小田急電鉄と東京地下鉄(東京メトロ)が事業主体の「新宿駅西口地区開発計画」に、東急不動産が新たな共同事業者候補として参画することが発表されました。駅前の「小田急百貨店」は今秋閉店し、その跡地に地上48階・地下5階・高さ約260mの複合施設が誕生する予定なのだとか(関連記事:『2029年、駅前に「260メートル」の超高層ビル…「新宿・再開発」いよいよ始まる』)。

 

現在の「ハイアットリージェンシー東京」の入るビルは築40年と古く、またコロナ禍の影響でホテル稼働率は大きく低迷。2021年3月で、多くのレストランやプールが閉鎖されるなど、ホテルファンにはその苦境ぶりが伝わっていました。

 

駅からも距離があるので、これを機に小田急電鉄は経営資源を駅前に集中させる狙いもあるのかもしれません。

 

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