鉄道、ホテル…逆境を逆手にとる、世界の投資家たち
また小田急電鉄自体もコロナ禍の影響で苦しんでいます。2020年度のグループの経営成績をみていくと、営業収益は前期比27.7%減の3,859億円、営業損失は241億円、経常損失は312億円でした。
鉄道事業についてみていくと、輸送人員は、定期が前期比30.5%減の3億3,196万人、定期外が前期比32.8%減の1億9,326万人。旅客運輸収入は、定期が前期比29.1%減の342億円、定期外が前期比36.8%減の435億円でした。このような状況で、低迷するホテルの立て直しは難しかったのでしょう。
今回の売却報道のほかにも、前出のようにホテル売却の話は最近よく耳にします。やはりコロナ禍、なかなか苦境から抜け出せずにいるなか、再建を断念するケースが続いています。ただ不動産としては価値は高いため、売却はスムーズに進んでいるようです。
この先もホテルは存続されるのか、現段階では不透明。しかしこのコロナ禍でホテル運営自体は苦境にさらされる例が目立ちますが、投資の観点でいえば意外にも活況を帯び、マーケット的には「いまが仕込み時」なのだといいます。
そもそもホテル投資は、「不動産投資の中でも、比較的収益性が高い」「節税効果が期待できる」と、大きく2つのメリットが挙げられます。一方で「収益は景気動向に左右される」ことが一番の難点でした。まさにいま、そのデメリットにさらされている投資家がいる一方で、新型コロナウイルスが収束すれば旅行需要は必ず回復する、という推測から、新たにホテルに投じる人が増えているのです。
特に前出のハイアットを始め、マリオットやヒルトン、インターコンチネンタルなど、世界的にホテルチェーンは、充実したポイントプログラムで数十万人単位で顧客を囲い込んでいるため、投資の観点からも安定収益が期待できると人気を集めています。
下落時こそ仕込み時……投資の鉄則に基づき、世界中の投資家がホテルに注目しています。
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